地方県におけるリハ連携システムの構築を目指して

介護保険制度及び障害者プラン推進の施策が展開される中, リハ連携システムの構築が叫ばれているが, 地方県においては地域リハを担う機関不足, リハ関連保健・福祉事業の不充足等の問題が依然多く, リハネットワーク確立には至っていない. 当協会では将来のリハ連携システムの構築を目指し, 和歌山県下50市町村及び当協会員所属107機関のリハ状況調査及び情報提供を行っている. 今回, 県下のリハ供給状況を含め紹介する. 「県下の地域リハ機能状況」県下における現状(H10.10調査)の地域リハ関連機能は, 訪問リハ提供機関59件(訪問看護ステーション23件, 医療機関36件), 外来リハ対応機関74件,...

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Veröffentlicht in:理学療法学 2000, Vol.27 (suppl-2), p.277-277
Hauptverfasser: 岩崎正和, 中前和則, 坂口進至, 坂本善朗, 宮本栄一, 関谷浩和, 東純夫, 中尾知裕
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:介護保険制度及び障害者プラン推進の施策が展開される中, リハ連携システムの構築が叫ばれているが, 地方県においては地域リハを担う機関不足, リハ関連保健・福祉事業の不充足等の問題が依然多く, リハネットワーク確立には至っていない. 当協会では将来のリハ連携システムの構築を目指し, 和歌山県下50市町村及び当協会員所属107機関のリハ状況調査及び情報提供を行っている. 今回, 県下のリハ供給状況を含め紹介する. 「県下の地域リハ機能状況」県下における現状(H10.10調査)の地域リハ関連機能は, 訪問リハ提供機関59件(訪問看護ステーション23件, 医療機関36件), 外来リハ対応機関74件, 通所リハ(デイケア)対応施設43件である. しかし, 多くの施設が総人口の約35%を占める県下最北端の和歌山市に集中しており(訪問:49.2%[29/59件], 外来:41.9%[31/74件], 通所:41.9%[18/43件]), その他の市町村ではリハを提供できる施設が乏しい状況にある. 現状では居住地域で通所リハを受けられない市町村が66%(33/50件)あり, サービス希望者は他の市町村へ通所しなければならない. 訪問リハは78%(39/50件)の市町村に59機関が対応しているが, 殆どが退院前訪問や退院後通院困難な患者のフォローであり積極的な展開は少ない. 一方保健事業では, 機能訓練A型が82%(41/50件)で実施されているが大半が月に1・2回であり, 機能訓練B型は22%(11/50件)しか実施されてなく頻度も非常に少ない. リハ専門職を導入した訪問指導事業は50%(25/50件)で行われているが, 月1・2回程度である. 地域によっては医療機関等リハ対応事業者におけるリハサービスがない市町村が7件, 保健サービスすらない市町村が1件ある. 県下全域においても介護保険のリハサービスに関しては「ニーズがあってもサービスがない」状況が予想される. 「地域リハ機能情報サービスの提供」現状の地域リハ機能の不充足を補うための手段として, 連携システム構築を最重要課題とし「まず, どこがどのようなサービスを実施しているかを明確にすること」を連携の第一歩と位置づけ, 平成9年度より地域リハ情報提供資料「地域リハまっぷ」を作成し, 現在インターネットによる情報公開[http://www.naxnet.or.jp/~w-pt-a]を行っている. 内容は, 地域住民が居住地で受けることのできる地域リハ機能(機能訓練等の保健事業・福祉サービス及び当協会員所属医療機関等による地域リハサービス)を掲載している. 「今後の課題」現在「地域リハまっぷ」を情報公開し随時内容を更新しているが, それを利用できるシステムづくりが重要であり, 早急に手がける必要がある. また, リハの供給体制が整備されるまでは現在のリハ機能を生かすことが先決であり, 当協会では会員間(医療領域)及び保健・福祉領域へのリハ連携をより強化する体制をつくり, 連携システム構築を推進していく方針である.
ISSN:0289-3770