理学療法士養成校における夜間部と昼間部の比較
理学療法の学内授業は, 学生が患者の病態を心象しながら学習することが効果的である. しかし, 片麻痺特有の病態などは特に学生が心象しにくい. そこで当学院の昼間部では片麻痺の病態について心象できるようになることを目標として, 片麻痺の理学療法授業が進行途中の時期に, 片麻痺の見学実習を平成8年度より実施している. 片麻痺の見学実習(以下-見学)の内容は, (1)運動障害, (2)感覚障害, (3)言語障害, (4)精神機能, (5)ADL障害の5つの片麻痺特有の病態である. 見学方法は指導者に各病態有無の明示を依頼し, 次いで学生が病態像を観察または直接触れて実感する. 学生は各病院で1日,...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 理学療法学 2000, Vol.27 (suppl-2), p.259-259 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 理学療法の学内授業は, 学生が患者の病態を心象しながら学習することが効果的である. しかし, 片麻痺特有の病態などは特に学生が心象しにくい. そこで当学院の昼間部では片麻痺の病態について心象できるようになることを目標として, 片麻痺の理学療法授業が進行途中の時期に, 片麻痺の見学実習を平成8年度より実施している. 片麻痺の見学実習(以下-見学)の内容は, (1)運動障害, (2)感覚障害, (3)言語障害, (4)精神機能, (5)ADL障害の5つの片麻痺特有の病態である. 見学方法は指導者に各病態有無の明示を依頼し, 次いで学生が病態像を観察または直接触れて実感する. 学生は各病院で1日, 見学を実施している. この見学の成果を確認することを目的に, 見学終了後の昼間部と, この見学を実施していない夜間部と比較検討した. 【方法】1)指導者より明示された各病態の見学実施率を算出した. 2)見学終了後の昼間部2年生30名, 及びこの見学を実施していない夜間部3年生25名(昼間の職業別に)を対象に, 各病態の(1)~(4)を心象できるか, についての程度を10段階の評定尺度を用いて調査した. 傾向を知るため便宜的に評定の平均値を用いた. 3)同対象に, 心象に寄与する因子(他の実習, 授業, メディア, 職業等)について選択式で調査した. 【結果と考察】1)見学した平均症例数5.0±0.4例, 見学実施率は, (1)運動障害90%, (2)感覚障害70%, (3)言語障害50%, (4)精神機能では意識障害, 痴呆30%, 高次脳機能障害70%, (5)ADL障害90%であった. 特に(1)(2)(5)について見学の成果が確認された. (3)(4)については(1)(2)に比較しもともと発症率が低いこと, また実習病院の特徴が影響していると考える. 新規に依頼した見学病院については見学実施率が低かった. これは学院側の説明不足が原因であったと考える. 2)各病態をどの程度心象するかの評定は, 昼間部で(1)7.7(2)6.5(3)6.1(4)5.2, 夜間部で昼間の職業が医療職者は, (1)8.7(3)7.6(4)7.2(2)7.0の順に, 一般職者は(1)7.6(3)4.9(2)4.3(4)4.3の順に高かった. 全体では夜間部医療職者が最も高く, 次いで昼間部, 夜間部一般職の順であった. 夜間部の医療職者と一般職者の心象評定についてX^2 検定した結果(1)~(4)全てP |
---|---|
ISSN: | 0289-3770 |