ボランティア活動を経験した学生へのアンケート調査
本学院に複数の福祉医療系施設から学生に対するボランティア活動の依頼が来る. 本学院は学業に支障がないことを条件に参加を認めている. 学生がボランティア活動を経験し, それをどの様に受けとめたかは明らかではない. そこでこの調査はボランティア活動に参加した学生がボランティア活動をどの様に受けとめたかを知ることを目的に実施した. 対象は本学院理学療法学科に在籍する1, 2年学生, 164名(男性100名, 女性64名)であった. また, 全員からこの調査に対する同意を得た. 【方法】アンケート用紙を用い調査を実施した. 内容は(1)ボランティア活動経験の有無について調べた. さらにボランティア活動...
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Veröffentlicht in: | 理学療法学 2000, Vol.27 (suppl-2), p.252-252 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本学院に複数の福祉医療系施設から学生に対するボランティア活動の依頼が来る. 本学院は学業に支障がないことを条件に参加を認めている. 学生がボランティア活動を経験し, それをどの様に受けとめたかは明らかではない. そこでこの調査はボランティア活動に参加した学生がボランティア活動をどの様に受けとめたかを知ることを目的に実施した. 対象は本学院理学療法学科に在籍する1, 2年学生, 164名(男性100名, 女性64名)であった. また, 全員からこの調査に対する同意を得た. 【方法】アンケート用紙を用い調査を実施した. 内容は(1)ボランティア活動経験の有無について調べた. さらにボランティア活動経験者へ以下の質問を実施した. (2)ボランティア活動参加の動機について, (3)ボランティア活動の対象について, (4)担当した役割は何か(5)担当した役割への満足度について, (6)ボランティア活動に参加して得たことは何か, (7)ボランティア活動への再参加についてであった. 【結果】115名から回答が得られ, 回収率は70.1%であった, (1)ボランティア活動参加経験者は32名(男性17名, 女性15名)で対象者の19.5%であった, 以下はこの32名を対象とした結果であった. (2)ボランティア活動参加の動機は中学・高校で実施していたから, 本学院からの案内から, 知らない人と知り合えるからなど様々であり, 動機が本学院入学以前にある者と入学後にある者がいた, (3)ボランティア活動の対象は小児関係14名(43.8%), 成人・高齢者関係18名(56.2%), スポーツ関係4名(12.5%)であった. (4)担当した役割は高齢者の介護全般, 障害児キャンプのリーダー, 催し物での模擬店運営などであった. (5)担当した役割への満足度については高い14名(43.8%), 普通16名(50.0%), 低い2名(6.2%)であった. (6)ボランティア活動に参加して得たことは人との接し方を学んだ, 他人への思いやりの大切さを感じた, 障害者(児)への偏見が少なくなった, また人の役に立つ楽しさを知ったなどであった. (7)ボランティア活動への再参加については再び参加する31名(96.9%)で, 参加しないはなかった. 【考察】調査の結果, ボランティア活動に参加した多くの者が担当した役割にほぼ満足し, 再びボランティア活動へ参加したいと回答した. 参加後もボランティア活動に興味を持っていることがわかった. また, ボランティア活動から学生は人への思いやりや人との接し方を学んでいた. 参加したボランティア活動は小児, 成人を対象としたスポーツや種々の催し物への援助であり, 様々な世代と触れる機会を得ていた. 時には障害者に接し, 障害者に対する意識を変える機会を得ていた. ボランティア活動への参加は様々な世代と触れ, 人との接し方を学ぶ機会を与えており理学療法士を目指す学生にとって有益ではないかと考えられた. |
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ISSN: | 0289-3770 |