長崎地区における脳卒中急性期リハの実情
リハビリテーション(以下, リハ)はチームアプローチに基づく展開が必須である. しかし, 救急病院における早期リハの展開は, 医学的管理に重点をおかざるを得ない場面が多いため, チーム医療の実現も困難なことが予測される. 我々は脳神経外科専門病棟において医師・看護スタッフと共に一丸となって超早期からのリハの展開を行ってきた. そこで今回, 救急病院におけるリハの実態について調査し, 比較検討したので報告する. 長崎救急医療協議会が平成9年10月から平成10年9月までに実施した救急実態調査結果を基に, 救急搬送された脳卒中患者907名で, リハが実施された脳内出血・脳梗塞患者356名の内, 当院...
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Veröffentlicht in: | 理学療法学 2000, Vol.27 (suppl-2), p.71-71 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | リハビリテーション(以下, リハ)はチームアプローチに基づく展開が必須である. しかし, 救急病院における早期リハの展開は, 医学的管理に重点をおかざるを得ない場面が多いため, チーム医療の実現も困難なことが予測される. 我々は脳神経外科専門病棟において医師・看護スタッフと共に一丸となって超早期からのリハの展開を行ってきた. そこで今回, 救急病院におけるリハの実態について調査し, 比較検討したので報告する. 長崎救急医療協議会が平成9年10月から平成10年9月までに実施した救急実態調査結果を基に, 救急搬送された脳卒中患者907名で, リハが実施された脳内出血・脳梗塞患者356名の内, 当院を含む12施設にアンケート調査を行った. さらに, 集計結果を当院78名と他11施設(以下, 他院)146名の2群に分け比較・検討した. 平均年齢は, 当院65.0±9.7才, 他院74.1±9.8才であった. [調査項目](1)入院時意識レベル(以下, J.C.S.), (2)入院日数, (3)リハ開始までの日数, (4)転帰, (5)退院時のBarthel Index(但し階段昇降, 排便自制を除いた計8項目, 総合点80点満点で評価:以下, BI)(6)食事・排泄と移動行為の関係 [結果](1)入院時J.C.S.:II桁及びIII桁は当院26名(33%), 他院37名(33%)であった. (2)リハ開始までの平均日数:当院4.6±4.7日, 他院9.3±14.5日であった. (3)転帰:転院者は当院68%, 他院49%であった. その内, 最も多い転院先は, 当院がリハ総合I施設70%, 他院が療養型施設60%であった. (4)平均入院日数:自宅退院者では当院32.9±20.3日, 他院64.8±41.4日であり, 転院者では当院40.9±22.7日, 他院83.2±58.2日であった. (5)BIの平均点:自宅退院者で, 当院70.8±19.8点, 他院61.7±24.1点であり, 転院者は当院37.2±29.2点, 他院18.2±21.1点であった. また, BIの移動項目で0~10点の者は当院43名(55%), 他院91名(62%)であった. (6)食事・排泄と移動行為の関係:移動項目で要介助者の内, 食事で当院89%・他院49%, また排泄では当院53%・他院39%の者がペット上以外で行為を遂行していた. 今回の調査で, 当院は他院と比較してPTの関わりが早く・入院日数も短い, また退院時BIが高いことが明らかとなった. 更に当院がリハ目的転院者が多かったのに対して, 他院は自己完結型であった. この様な結果は, 施設間の看護体制の違いもさることながら, 専門病棟におけるチームアプローチの如何にもよるものと推察される. 我々理学療法士は, チームの要として, 生活再建を目的とした指針を提言, 医師・看護スタッフに積極的に理解を求めると共に, スタッフ間で共有できる急性期からのプログラムを組み立てていくことが肝要と思われた. |
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ISSN: | 0289-3770 |