急性期病院での在院日数短縮による影響
昨今の急性期病院をとりまく環境は医療法改正により, 在院日数の短縮を迫られている. 当院においても, 病院, スタッフ全体による取り組みが行われている. そこで当院におけるリハ開始時と退院時の変化を, 昭和63年度(以下前回)と平成11年度(以下今回)について検討した. 【対象】前回及び今回それぞれ年度別において脳血管障害により入院となりリハビリ対象となった患者. 総数前回(一年間)163名, 今回(半年間)61名について検討した. 【方法】今回の検討項目として1. 発症から入院まで, 入院からリハ開始までそれぞれの期間2. 全体のリハ平均入院期間3. 下肢の機能をBrunnstrom Sta...
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Veröffentlicht in: | 理学療法学 2000, Vol.27 (suppl-2), p.33-33 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 昨今の急性期病院をとりまく環境は医療法改正により, 在院日数の短縮を迫られている. 当院においても, 病院, スタッフ全体による取り組みが行われている. そこで当院におけるリハ開始時と退院時の変化を, 昭和63年度(以下前回)と平成11年度(以下今回)について検討した. 【対象】前回及び今回それぞれ年度別において脳血管障害により入院となりリハビリ対象となった患者. 総数前回(一年間)163名, 今回(半年間)61名について検討した. 【方法】今回の検討項目として1. 発症から入院まで, 入院からリハ開始までそれぞれの期間2. 全体のリハ平均入院期間3. 下肢の機能をBrunnstrom Stage(以下BRS)と歩行で評価4. 転帰の4項目について検討した. なお, 歩行は全介助・介助監視・自立の3段階に分けた. 【結果】入院までの日数は前回1W以内88.9%, 今回1W以内91.8%と変化はなかった. リハ開始までの日数は3日早くなった. 入院期間では前回105.2日で今回36.3日と1/3の短縮が認められた. 下肢BRSの変化は, 前回では悪化例1%, 変化なし60%, 1段階改善20%, 2段階改善14%, 3段階以上改善6%, 今回は悪化例なし, 変化なし73%, 1段階改善18%, 2段階改善6%, 3段階以上改善3%であった. 前回と今回で著明な変化はなかった. 歩行の変化は, 前回変化なし31%, 1段階改善42%, 2段階改善28%, 今回は変化なし56%, 1段階改善32%, 2段階改善11%であった. 歩行能力では自立群の割合が73.4%から47.5%へ減少を示し, 介助監視が23.6%から32.8%に増加し, 歩行不能群7.2%から19.7%と著明に増加した. 転帰は, 自宅退院が前回では77%, 今回では67%で, 転院が12%から18%と増加し, 施設へ退院が前回4%から, 今回8%と増加していた. 【考察】今回の結果より, 以前は十分なリハ期間があったが最近では急性期病院として平均在院日数の短縮に迫られ, その事が歩行能力, 自宅退院率低下に少なからず影響している. この様な状況の中で, 次の様な問題点が浮かび上がった. まずは, 在院日数が短縮され当然リハ期間も短くなり, この限られた期間にいかに機能回復を目指すかが課題である. この為, 超急性期での, 発症当初からのリハ的なアプローチが重要視され, これこそが本来急性期病院での最重要課題であると考えられる. これに対して当院でも, 検討し対応を模索している. また第二点として, 転院する回復期の患者に対して継続リハの問題が挙げられる. これに対しては, 地域における病院, 施設との十分なネットワーク作りが不可欠であると考える. |
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ISSN: | 0289-3770 |