新しい臨床的下腿骨捻転角度計測法

【目的】Osgood-Schlatter病と下腿骨外捻増強(Turner,1994), そして内側型変形性膝関節症と下腿骨内捻増強(Yagi,1986)との関連が過去に報告されている. 脛骨捻転-長軸まわりのねじれ-の測定は重要で, CTによる測定は高い妥当性と信頼性を得ている. 一方臨床的測定方法は, 脛骨近位軸にあたる顆部後面の触診の困難さから, 妥当性を疑問視する報告が多くみられる(Lang,1998;Milner,1998;Stuberg,1991). この研究は, 新しい臨床的下腿骨捻転角度の測定法-従来と異なるランドマークを近位軸として用いる下腿骨ねじれ角測定法-の提案が目的である...

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Veröffentlicht in:理学療法学 2000, Vol.27 (suppl-2), p.22-22
Hauptverfasser: 玉利光太郎, Sally Raine
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】Osgood-Schlatter病と下腿骨外捻増強(Turner,1994), そして内側型変形性膝関節症と下腿骨内捻増強(Yagi,1986)との関連が過去に報告されている. 脛骨捻転-長軸まわりのねじれ-の測定は重要で, CTによる測定は高い妥当性と信頼性を得ている. 一方臨床的測定方法は, 脛骨近位軸にあたる顆部後面の触診の困難さから, 妥当性を疑問視する報告が多くみられる(Lang,1998;Milner,1998;Stuberg,1991). この研究は, 新しい臨床的下腿骨捻転角度の測定法-従来と異なるランドマークを近位軸として用いる下腿骨ねじれ角測定法-の提案が目的である. 同測定法の信頼性・妥当性を, 骨標本を用いて検討した. 【方法】19体(右10:左9)の状態が良好な脛骨を使用した. 脛骨前面が上向きになるよう脛骨を台上に置き, 以下の3部位:1脛骨粗面直近位, 2脛骨粗面, 3脛骨粗面直遠位での脛骨内側面の水平面に対する角度を, 勾配計を用いて測定した(∂i:脛骨近位軸傾斜角). 同時に脛骨遠位端での, 内果部と腓骨関節面中点とを結んだ線をもって脛骨遠位軸とし, その水平線に対する傾きを計測した(β;脛骨遠位軸傾斜角). それぞれの変数(∂i, β)を3度計測し, 平均値とstandard error of measurement(SEM)を算出した. 検者内信頼性を, one way repeated measures ANOVA, クラス内相関係数[ICC(3.1)]を用いて検定した. 測定時の脛骨頬部後面は水平面上にあるため, ∂iはその脛骨顆部後面との角度, βは脛骨捻転角をそれぞれ示す. 脛骨ねじれ角を(∂i+β)と定義し, ピアソンの相関係数(r)を算出してβとの相関を検討した. 同変数間の単回帰式と決定係数(r^2 )も同時にもとめた. 【結果】脛骨捻転角βは約30°の外捻を呈しており, 過去の研究とほぼ一致した. 4つの変数におけるSEMは平均値の5%以内であった. 全ての変数において, 3度の計測値の間に有意な差は見られなかった(F_∂1 =.50,p
ISSN:0289-3770