片麻痺患者の視空間認知について
片麻痺患者の理学療法においては, 患者だけに目を向けるだけでなく環境との相互関係に着目することが求められている. 今回我々は, 坐位環境の変化が視空間認知に影響を及ぼすのではないかと考え, 半側空間無視を伴う片麻痺患者に対し, 簡便に行うことのできる巻き尺によるテープニ等分法を用いて視空間認知を評価し, 考察を行ったので報告する. 半側空間無視を伴う片麻痺患者で端坐位保持が可能な者11例を対象とした. 11例は全て左片麻痺患者で8例にpusher現象が認められた. 11例とも実用歩行は不可能である. 視空間認知の評価は, 50cmの巻き尺によるテープ二等分法を用い, 1)プラットホームでの端坐...
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Veröffentlicht in: | 理学療法学 2000, Vol.27 (suppl-2), p.4-4 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 片麻痺患者の理学療法においては, 患者だけに目を向けるだけでなく環境との相互関係に着目することが求められている. 今回我々は, 坐位環境の変化が視空間認知に影響を及ぼすのではないかと考え, 半側空間無視を伴う片麻痺患者に対し, 簡便に行うことのできる巻き尺によるテープニ等分法を用いて視空間認知を評価し, 考察を行ったので報告する. 半側空間無視を伴う片麻痺患者で端坐位保持が可能な者11例を対象とした. 11例は全て左片麻痺患者で8例にpusher現象が認められた. 11例とも実用歩行は不可能である. 視空間認知の評価は, 50cmの巻き尺によるテープ二等分法を用い, 1)プラットホームでの端坐位, 2)部屋のコーナーで身体の右側と背側が壁と接するように椅座し, 両上肢を前方の治療台上に位置させる坐位(以下, 右壁坐位), 3)部屋のコーナーに背を向け椅座し, 他は2)と同様の坐位(以下, コーナー坐位)の3肢位で行った. それぞれ2回ずつ測定を行い中央からのズレが大きい方を採用した. 統計的手法は, 対応のあるt-検定を用い, 端坐位と右壁坐位間, 端坐位とコーナー坐位間・右壁坐位とコーナー坐位間で比較検討した. (有意水準0.01). (結果)測定値の平均は, 端坐位が13.5±4.4cm, 右壁坐位が7.3±5.0cm, コーナー坐位が12.5±6.6cmであった. 端坐位と右壁坐位間, 右壁坐位とコーナー坐位間で有意差が認められ(p |
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ISSN: | 0289-3770 |