2種の筋トルク測定機器による測定値の互換性の検討

【目的】筋トルク測定機器が臨床に導入されて20数年を過ぎた. 現在20数種の機器が活用されているが, モデルの更新により, 種類は多数となっている. これら機器の精度はメーカーで保証しているが, 実際に対象者を測定した値, すなわち, Man-Machine Systemとして, 値の互換性の検討が必要である. 今回, 新旧の機器を用いて, 膝屈伸筋トルクの測定値の互換性を検討したので報告する. 【方法】対象は特にスポーツを行っていない健常成人21名(男11名, 女10名)左右42肢であった. 測定には1980年製のCYBEXII+(LUMEX;以下C2)と1998年製のCYBEX770NOR...

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Veröffentlicht in:理学療法学 1999, Vol.26 (suppl-1), p.101-101
Hauptverfasser: 松本紫野, 半田健壽, 中江秀幸, 阿保孝文, 小野 玲, 関 和則, 岩谷 力
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】筋トルク測定機器が臨床に導入されて20数年を過ぎた. 現在20数種の機器が活用されているが, モデルの更新により, 種類は多数となっている. これら機器の精度はメーカーで保証しているが, 実際に対象者を測定した値, すなわち, Man-Machine Systemとして, 値の互換性の検討が必要である. 今回, 新旧の機器を用いて, 膝屈伸筋トルクの測定値の互換性を検討したので報告する. 【方法】対象は特にスポーツを行っていない健常成人21名(男11名, 女10名)左右42肢であった. 測定には1980年製のCYBEXII+(LUMEX;以下C2)と1998年製のCYBEX770NORM(ヘンリーヘルスケア;以下C7)を用いた. 被検者をシート上に端座位にさせ, 背部は背もたれにつけ, 大腿部は付属のベルトで固定した. 脛あてパットは下腿遠位部にあてベルトで固定した. 被検者はシートの端を把持し, 検者は被検者の骨盤を前方から押え, 固定した. 角速度は90deg/secの等運動性膝関節伸展-屈曲を連続3回ずつ最大努力で行わせ, その中の最大値(Nm)を分析に用いた. 測定機器および左右の順序はランダム化した. 解析方法は級内相関係数(ICC)を用いた. 【結果と考察】男女別, 機器別の膝屈伸筋トルク測定値の平均値, 標準偏差, 括孤内に最小値, 最大値を以下に示す. 単位はすべて(Nm)である. 男女合せたC2とC7によるの測定値のICCは, 伸展が0.917, 屈曲が0.823となった. ICCの結果を信頼性の基準に照らしあわせると, 伸展が「優秀」, 屈曲が「良好」という水準であった. 伸展に関する両者の関係は, Y=0.9569X+4.2915(Y:C7, X:C2, n=42, R=0.918), 屈曲では, Y=0.6955X+26.081(Y:C7, X:C2, n=42, R=0.836)の換算式が成立した. C2から換算式で求めたC7の値と, 実際のC7との測定値との差分率を検討したところ, 全体の9割以上が伸展では20%以内, 屈曲では30%以内に分布した. 【まとめ】C2とC7の互換性を検討したところ, 両者の測定値は互換が可能であることが示唆された.
ISSN:0289-3770