歩行解析における股関節中殿筋の質的評価の試み

本研究の目的は, wavelet変換という新しい手法を導入し, 従来非常に困難であった時々刻々と変化する動的な筋電図周波数特性を明らかにすることである. 対象は全例女性で健常者20例, 変形性股関節症患者20例であった. 電極部位は中殿筋筋腹部とした. さらに足部外果に加速度センサーを貼付し10m自由歩行を2回行った. そして踵接地時に加速度センサーが最大振幅を示す点を基準点として, 0.05秒間隔で0.8秒間解析を行い, 計17ポイントの平均周波数を算出した. 各ポイントの平均周波数は最大収縮時の平均周波数と立脚時間で補正した. また, 同様に筋電積分値も算出し最大収縮時の値と立脚時間で補正...

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Veröffentlicht in:理学療法学 1999-07, Vol.26 (5), p.179-186
Hauptverfasser: 加藤 浩, 藤野英次郎, 上島隆秀, 城石晴子, 時枝美貴, 高杉紳一郎, 神宮司誠也, 野口康男, 岩本幸英
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究の目的は, wavelet変換という新しい手法を導入し, 従来非常に困難であった時々刻々と変化する動的な筋電図周波数特性を明らかにすることである. 対象は全例女性で健常者20例, 変形性股関節症患者20例であった. 電極部位は中殿筋筋腹部とした. さらに足部外果に加速度センサーを貼付し10m自由歩行を2回行った. そして踵接地時に加速度センサーが最大振幅を示す点を基準点として, 0.05秒間隔で0.8秒間解析を行い, 計17ポイントの平均周波数を算出した. 各ポイントの平均周波数は最大収縮時の平均周波数と立脚時間で補正した. また, 同様に筋電積分値も算出し最大収縮時の値と立脚時間で補正した. その結果, 変形性股関節症群で相対的筋電積分値の高値とピークの遅延が認められた. また, 健常群で踵接地直後に相対的平均周波数の急激な上昇が認められた. 一方, 変股症群ではそれ以降に緩やかな上昇が認められた. 以上から, 両群の立脚相初期において積分筋電図では見出せない運動単位の活動状態の違いが示唆された.
ISSN:0289-3770
DOI:10.15063/rigaku.kj00003131588