時計誘導法による歩行開始時の運動関連脳電位

運動関連電位を運動疾患患者に臨床応用するために,外部刺激誘導法による運動関連脳電位の簡便な測定法を考案し,これを用い,20-79歳からなる30名の正常人における歩行時の運動関連脳電位を測定した。時計の針が,9時の位置より12時の位置まで5秒間で連続して動く。被験者は時計の1.5m前に立ち,時計の針が12時の位置を指すのを合図に2歩あるく。時計の針が12時の位置を指したときを歩行開始時とし,その前後で脳波を記録した。そうして得られた加算平均波形から,歩行せずに時計をみているときの加算平均波形を引算した波形を外部刺激誘導法による歩行時の運動関連電位とした。準備電位(Bereitschaftspot...

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Veröffentlicht in:理学療法学 1999/01/31, Vol.26(1), pp.22-26
Hauptverfasser: 平田, 晃久, 伊賀崎, 伴彦, 村山, 伸樹, 川上, 修, 堺, 裕, 野口, ゆかり, 伊藤, 多枝子, 音成, 龍司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:運動関連電位を運動疾患患者に臨床応用するために,外部刺激誘導法による運動関連脳電位の簡便な測定法を考案し,これを用い,20-79歳からなる30名の正常人における歩行時の運動関連脳電位を測定した。時計の針が,9時の位置より12時の位置まで5秒間で連続して動く。被験者は時計の1.5m前に立ち,時計の針が12時の位置を指すのを合図に2歩あるく。時計の針が12時の位置を指したときを歩行開始時とし,その前後で脳波を記録した。そうして得られた加算平均波形から,歩行せずに時計をみているときの加算平均波形を引算した波形を外部刺激誘導法による歩行時の運動関連電位とした。準備電位(Bereitschaftspotential,BP)は全例より記録され,立ち上がりの平均潜時は1082 ± 320msecであった。時計の針が12時の位置を指したときの平均振幅は7.8 ± 3.6μVで,加齢に伴い増加する傾向を認めた。21名からNegative slope(NS')が認められた。NS'の平均開始時潜時は501 ± 175msecで,その出現頻度は加齢により増加した。運動前電位は単純動作より複雑動作の方が,NS'が明瞭となり、運動開始時の振幅が増加すると報告されていることから,今回の結果から歩行は加齢に伴い単純から複雑動作へと変わると考察できる。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00003131528