第6胸髄損傷完全麻痺に対する機能的電気刺激による起立・歩行機能再建

第6胸髄損傷完全麻痺患者に対し,貫皮電極を用いた機能的電気刺激(functional electrical stimulation: FES)による起立・歩行機能の再建を試みた。FESによる起立を開始する前に,約1ヶ月間下肢の筋力増強,筋疲労の耐性,痙性の軽減などを目的に治療的電気刺激(therapeutic electrical stimulation: TES)を行った。TESを行った期間が長くなるにつれてFESによる立位保持時間は延長し,TESを行ってから3年後には約1時間の立位保持が可能となった。これによって,トイレでのズボンの上げ下ろしや高所に置いてある物をとるなどの動作が可能となり...

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Veröffentlicht in:理学療法学 1998/11/30, Vol.25(7), pp.413-420
Hauptverfasser: 大西, 秀明, 大山, 峰生, 松村, 康弘, 伊橋, 光二, 八木, 了, 半田, 康延, 古山, 智子, 吉田, 忠義, 半田, 郁子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:第6胸髄損傷完全麻痺患者に対し,貫皮電極を用いた機能的電気刺激(functional electrical stimulation: FES)による起立・歩行機能の再建を試みた。FESによる起立を開始する前に,約1ヶ月間下肢の筋力増強,筋疲労の耐性,痙性の軽減などを目的に治療的電気刺激(therapeutic electrical stimulation: TES)を行った。TESを行った期間が長くなるにつれてFESによる立位保持時間は延長し,TESを行ってから3年後には約1時間の立位保持が可能となった。これによって,トイレでのズボンの上げ下ろしや高所に置いてある物をとるなどの動作が可能となり,ADLの拡大を得ることができた。FESによる歩行動作の再建は平行棒内歩行より開始し,安定した歩行ができることを確認した後,歩行器による歩行訓練を行なった。その後,刺激パターンや制御スイッチに改良を加え,TES開始後3年を経た現在では,歩行器を使用して自宅で歩行訓練ができるまでに至った。本研究によって,下肢装具を使用することなくFESにより,実用的な起立動作および訓練的な歩行動作の再建が可能であることが判明した。
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00001305250