車椅子マラソンランナーの胸骨に発症した変形性関節症について
今回我々は, 車椅子マラソンの分野で国内の第一人者として活躍してきた選手に発症した胸骨の変形性関節症について報告する. 「症例紹介」症例は, 第1腰髄完全損傷の41歳の男性. 1982年より車椅子マラソンを開始し, 第3回大分国際車椅子マラソン大会より国内7連覇をはじめ, 数々の大会で優勝してきた選手である. 1992年6月19日はまなす車椅子マラソン大会に際し, バスの中で座席間をプッシュアップ移動した時に前胸部に痛みが走る. 2日後同大会に出場し, 優勝したが痛みは残存していた. 大会後2週間程休養し, 痛みが消失しないまま練習を再開. 同年9月にバルセロナ・パラリンピックのマラソンの部で...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 理学療法学 1996, Vol.23 (suppl-2), p.392-392 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 今回我々は, 車椅子マラソンの分野で国内の第一人者として活躍してきた選手に発症した胸骨の変形性関節症について報告する. 「症例紹介」症例は, 第1腰髄完全損傷の41歳の男性. 1982年より車椅子マラソンを開始し, 第3回大分国際車椅子マラソン大会より国内7連覇をはじめ, 数々の大会で優勝してきた選手である. 1992年6月19日はまなす車椅子マラソン大会に際し, バスの中で座席間をプッシュアップ移動した時に前胸部に痛みが走る. 2日後同大会に出場し, 優勝したが痛みは残存していた. 大会後2週間程休養し, 痛みが消失しないまま練習を再開. 同年9月にバルセロナ・パラリンピックのマラソンの部で当時の日本記録を更新. 11月には第12回大分国際車椅子マラソン大会に出場したが, 痛み依然として残存のため大会後に休養した. 1993年1月中旬頃より練習を再開したが, 前胸部痛増強したため練習を中止. 診断にて疲労骨折の疑いを指摘された. 日常生活上でも痛み持続のため安静を保ち一時痛み軽減した. 同年5月より練習再開したが痛み消失しないまま6月のはまなす車椅子マラソン大会に出場. 悪天侯に加えレース中も痛みが強く記録不振に終った. 大会後にMRI撮影等を行い胸骨変形性関節症と診断され, 痛み残存のためマラソンのトレーニングを中止し現在に至っている. |
---|---|
ISSN: | 0289-3770 |