両側視床梗塞の一症例

視床穿通動脈の閉塞による両側視床梗塞では, 意識障害や発動性の低下等の臨床症状を示す事が報告されているが, このような症例に対する理学療法(以下PT)の報告は少ない. 今回両側視床梗塞患者を発症後約3週より3ケ月半担当し理学療法を行う機会を得た. このような症状を示す症例はPTを進めていく上で問題ともなるが, 実際の機能より低くみられる危険性もあり積極的なリハビリテーションチームアプローチを妨げる可能性もある. その為, 我々PTの果たす役割は大きいと思われた. また本症例はその障害の局在性や両側性ゆえの特徴的症状を示しており, これらを症例の経過とともに報告したい. 51才・男性. 1990...

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Veröffentlicht in:理学療法学 1996, Vol.23 (suppl-2), p.291-291
Hauptverfasser: 黒沢美奈子, 浅香満, 高麗寿史, 横山孝之, 田中真理子, 吉沢夏人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:視床穿通動脈の閉塞による両側視床梗塞では, 意識障害や発動性の低下等の臨床症状を示す事が報告されているが, このような症例に対する理学療法(以下PT)の報告は少ない. 今回両側視床梗塞患者を発症後約3週より3ケ月半担当し理学療法を行う機会を得た. このような症状を示す症例はPTを進めていく上で問題ともなるが, 実際の機能より低くみられる危険性もあり積極的なリハビリテーションチームアプローチを妨げる可能性もある. その為, 我々PTの果たす役割は大きいと思われた. また本症例はその障害の局在性や両側性ゆえの特徴的症状を示しており, これらを症例の経過とともに報告したい. 51才・男性. 1990年以降心房細動・高血圧にて循環器専門病院に通院していた. 1994年12月12日動悸出現し同院受診. 症状落ち着いた為帰宅. 翌日会社で意識消失・転倒し同院入院. 意識レベルIII-200. 左眼球上転・瞳孔散大. 挿管後徐々に意識レベル改善. その後CTにて両側視床にLDA(+). 12月21日当院内科転入院. 意識レベルI-3~II-10. 発語(-). 脈拍140/分. 瞳孔不同. 12月24日抜管. 1995年1月6日理学療法開始.
ISSN:0289-3770