大腿切断肢に骨髄炎ほかの問題点を生じた短断端2例に対する股義足の試用経験について

今回, 大腿義足歩行訓練中に大腿切断肢に骨髄炎をはじめ, いくつかの問題点を生じた短断端例に対し, 断端を包み込んだ形の股義足(カナディアンタイプ)により, その後ソケットの適合等に問題なく歩行訓練を進めることかでき, 大腿切断としての機能を果たし独歩するに至った2例の経過を追うことができたので報告する. (ケース1)50歳男性 税理士. H4.4.3通勤途中, 横断歩道でトラックに跳ねられ受傷. 近医にて右大腿骨骨折, 大腿動脈損傷ほか診断され, 観血整復固定行われるが経過思わしくなく壊死が徐々に進行し, H4.4.15右大腿切断術施行された(断端長13cm). その後, 断端部に感染をおこ...

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Veröffentlicht in:理学療法学 1995, Vol.22 (suppl-2), p.480-480
Hauptverfasser: 松崎洋人, 今井基次, 清宮清美, 都竹誠, 山田義憲, 柳沢千香子, 押見雅義, 四分一恵子, 中野克己, 久保高明, 佐々木憲子, 窪田幸生, 神原孝子, 中沢徳雄, 秋田善行, 上小鶴正弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:今回, 大腿義足歩行訓練中に大腿切断肢に骨髄炎をはじめ, いくつかの問題点を生じた短断端例に対し, 断端を包み込んだ形の股義足(カナディアンタイプ)により, その後ソケットの適合等に問題なく歩行訓練を進めることかでき, 大腿切断としての機能を果たし独歩するに至った2例の経過を追うことができたので報告する. (ケース1)50歳男性 税理士. H4.4.3通勤途中, 横断歩道でトラックに跳ねられ受傷. 近医にて右大腿骨骨折, 大腿動脈損傷ほか診断され, 観血整復固定行われるが経過思わしくなく壊死が徐々に進行し, H4.4.15右大腿切断術施行された(断端長13cm). その後, 断端部に感染をおこし, 瘻孔数ヵ所残存した状態で歩行訓練目的にてH4.7.24当センター受診する. 外来での訓練開始当初, 断端創から出血見られ, 創をOpsite等で保護しなから, 前病院で作製した大腿仮義足(吸着四辺形ソケット)を用い歩行訓練を行っていた. しかし, H4.9.8センター内, 肢体不自由者更生施設に入所してから翌年5.11までの歩行訓練中, 断端骨髄炎による病巣掻爬や環流を施行するためにセンター内診療所に4回の入退院を繰り返し, いずれも2週間から最高3ヶ月間ソケット装着か中止の状況となった. 中止前後, 断端創の治癒は進まず, My oplastyの固定が不良であったこともあり, 不安定な立脚時の問題や懸垂時の吸着等, 短断端での義足操作には不利な条件が重なっていた. そこで, これらの問題点に対処するため, 断端袋を使用した上に断端を包み込んだ形の股義足(カナディアンタイプ)を装着して歩行訓練を試みた. 主に坐骨支持による股義足使用後は血液データ(白血球, 血沈等)とともに断端創や骨髄炎は軽快し, 不良なMy oplastyに対しても断端を屈曲し, 大腿軟部組織を前方から押さえることで不安定な立脚時の問題も解消した. 股義足変更後, 約2ヶ月でT字杖使用にて屋外独歩可能なレベルとなり, 3ヶ月後退所となった.
ISSN:0289-3770