体幹支持式歩行器の開発

理学療法士が起立・歩行訓練する際, 疾病構造の変化・重複障害等により従来の歩行補助具では使用できないことが少なくない. 今回, 訓練室のみならず病棟や廊下などでも使用可能な体幹支持式歩行器を開発したので報告する. 歩行器自体は4輪式歩行器で, 前輪は自在輪である. 本歩行器には体幹支持装置が付いており, 下肢や上肢や体幹の筋力低下か著しい状態でも, 腰部を支持しながら歩行することができる. 上肢・体幹支持の不安定な患者は, 前腕支持台を用いている. 体幹支持部の調整は, シリコン・エアバック・バットの3種類である. 内張りにソフトで装着感のよいパット素材を良く用いている. 安定感を一層高めるた...

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Veröffentlicht in:理学療法学 1995, Vol.22 (suppl-2), p.476-476
Hauptverfasser: 田中信広, 渡辺英夫, 浅見豊子, 米田睦男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:理学療法士が起立・歩行訓練する際, 疾病構造の変化・重複障害等により従来の歩行補助具では使用できないことが少なくない. 今回, 訓練室のみならず病棟や廊下などでも使用可能な体幹支持式歩行器を開発したので報告する. 歩行器自体は4輪式歩行器で, 前輪は自在輪である. 本歩行器には体幹支持装置が付いており, 下肢や上肢や体幹の筋力低下か著しい状態でも, 腰部を支持しながら歩行することができる. 上肢・体幹支持の不安定な患者は, 前腕支持台を用いている. 体幹支持部の調整は, シリコン・エアバック・バットの3種類である. 内張りにソフトで装着感のよいパット素材を良く用いている. 安定感を一層高めるために, 体幹支持装置に股装具・大腿コルセット・股吊り(perineal strap)を選択することができる. 歩行器の概略をまとめてみると, 材料としては鉄製パイプの直径3cmを使用している. ホイールベース:94cm, 最小回転半径:約1m, 上下ストローク:15cm, 体幹支持装置傾斜角:前傾30°~後傾5°まで調整可能としており, 患者の本来の姿勢に適応できるようにしている. これは患者の重心位置を前後に動かして, 歩行器の操作をよりやり易くするのにも役立つ. 本歩行器と体幹支持装置の連結は金属製L字型の引っかけがあり, これを歩行器後部の頑丈な3本の支柱が安定よく受けるように作られている. この3本の支持支柱は, 高さを無段階に調整することができるので, 患者の筋力などの病態に応じて体重の荷重度をゼロより全荷重まで, 自由に調整することができる.
ISSN:0289-3770