ハイリスク疾患に対するリハビリの再検討

近年, リハビリ(以下リハ)医療におけるハイリスク疾患患者の増加が注目されており, 当院リハ科においてもここ数年同様の傾向がみられる. そこで今回, 当院にてリハ施行され死亡に至った患者に着目し調査したので報告する. なお当院は内科, 外科, 整形外科をはじめ循環器科, 呼吸器科, 脳外科等の診療科目をもつ総合病院である. 【対象及び方法】 平成4年7月より同6年11月までに当院リハ科に紹介され, その後何らかの原因で死亡された患者69名(男性34名, 女性35名)を対象とした. 主なリハ的基礎疾患は, 脳血管障害24例, 悪性腫瘍16例, 大腿骨頚部骨折9例, 呼吸不全7例, 腎不全4例, 心不全3例, パーキンソン病3例, 多発性筋炎2例, その他1例であった. 主な合併症は多岐にわたり, 心疾患, 呼吸器疾患, MRSA感染症, 腎不全, イレウス等重篤な例がほとんどであった. 主なリハ的基礎疾患, 合併症から臓器不全群42名(61%), 悪性腫瘍群16名(23%), 重症感染症群5名(7%), 急死群6名(9%)と4群に分類し, 年齢, 入院日からリハ開始までの期間, リハ開始から死亡までの期間, ADL(Barthel Index), リハ内容を調査した.