高齢者の握力に関する基礎的検討

高齢者の体力測定では, 日常生活上必要な能力をいかに反映できるかという点と測定方法が安全かつ簡便であることがキーポイントとなる. しかし, 若年あるいは壮年者むけの体力測定法を準用しつつ種々の検討が行なわれているのが現状であろう. 握力は, 握るという動作の中の全ての指, あるいは手全体に作用する前腕屈筋群という比較的局所の筋の総合された等尺性筋力を測定しているという特徴はあるが, 方法が簡便で短時間で結果が得られるという実際面での利点と, 得られた測定値が他の筋力関係の測定値とも相関をもつということなどから, 広く実施されてきた. 実際, 握力の値は, そのままの値で, あるいは体重比で示さ...

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Veröffentlicht in:理学療法学 1995, Vol.22 (suppl-2), p.348-348
Hauptverfasser: 筧佐織, 大原昌之, 浅川康吉, 羽崎完, 鈴木康三, 森永敏博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:高齢者の体力測定では, 日常生活上必要な能力をいかに反映できるかという点と測定方法が安全かつ簡便であることがキーポイントとなる. しかし, 若年あるいは壮年者むけの体力測定法を準用しつつ種々の検討が行なわれているのが現状であろう. 握力は, 握るという動作の中の全ての指, あるいは手全体に作用する前腕屈筋群という比較的局所の筋の総合された等尺性筋力を測定しているという特徴はあるが, 方法が簡便で短時間で結果が得られるという実際面での利点と, 得られた測定値が他の筋力関係の測定値とも相関をもつということなどから, 広く実施されてきた. 実際, 握力の値は, そのままの値で, あるいは体重比で示された比握力として体力評価などに利用されている. これらのことより握力測定は今後も高齢者の体力測定の項目の一つとして重要な項目となるであろう. しかし, 現在のところ, 65歳以上の高齢者, 特に80歳以上の後期高齢者層に関する握力についての特徴は充分に検討されているとはいえない. そこで我々は高齢者の体力測定法を考える一助として, まず握力の特徴について検討を行なったので報告する.
ISSN:0289-3770