球麻痺患者に対する意志伝達装置の試み

「目的」 発声困難によるコミュニケーションの障害は, 自分の意志を十分に伝える事が出来ず, 第三者が文字盤をなぞり, 又読唇で語り掛けを読み取るなどの方法で行われている. この様な状況は, 常に第三者の協力を必要とし思った事を自由に伝えられず大変強い欲求不満を作るだけでなく医療の場においては自分の身体状況を十分伝えられず治療が受けにくい等, 深刻な問題を抱えている. 今回, 球麻痺症状により人工呼吸器及び横隔神経刺激装置で生命維持され, 且つ軽度の複視が残存する四肢麻痺患者に対し, QOLの向上を目的にパーソナルコンピュータを使用してのモールス信号変換方式による音声合成機能付意志伝達装置を試み...

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Veröffentlicht in:理学療法学 1993, Vol.20 (suppl-1), p.447-447
Hauptverfasser: 高島比佐志, 武田芳夫, 寺田勝彦, 謝花芳治, 謝花千春, 浜口理香, 中島君野, 田中清介
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」 発声困難によるコミュニケーションの障害は, 自分の意志を十分に伝える事が出来ず, 第三者が文字盤をなぞり, 又読唇で語り掛けを読み取るなどの方法で行われている. この様な状況は, 常に第三者の協力を必要とし思った事を自由に伝えられず大変強い欲求不満を作るだけでなく医療の場においては自分の身体状況を十分伝えられず治療が受けにくい等, 深刻な問題を抱えている. 今回, 球麻痺症状により人工呼吸器及び横隔神経刺激装置で生命維持され, 且つ軽度の複視が残存する四肢麻痺患者に対し, QOLの向上を目的にパーソナルコンピュータを使用してのモールス信号変換方式による音声合成機能付意志伝達装置を試みた. 「対象及び方法」 症例:26歳, 女性, 職業, ピアノの講師平成3年5月, 脳動脈奇形にて小脳出血を発症, 脳幹障害により球麻痺症状を呈し人工呼吸器と横隔神経刺激装置装着により生命維持を行っている. 眼球運動調節障害が軽度残存するため, 視力は, 矯正で0.7であるが, 小さな文字が識別しにくい等の問題を呈している. 知的能力は正常, 随意的筋収縮は, 発症後7ヵ月目より左手指から認められるようになり, 現在頸部周囲筋, 左前腕, 左手関節, 左手指, 左母趾背屈の筋の収縮が認められ手指の把握動作は緩慢であるが分譲運動が可能な状態まで回復している.
ISSN:0289-3770