Step-lock式膝継手の適応と効果
Step-lock式膝継手付き長下肢装具を使用した15症例(両側片麻痺4例, 右片麻痺6例, 左片麻痺5例)の装具使用状況について追跡調査し, その適応と効果について検討した. 本膝継手は, 伸展方向の動きがあれば15°ずつ9段階に連続して自動ロック可能な特徴をもち, 下肢の重度機能障害や重複障害を呈する症例に処方された. 本膝継手の導入により長下肢装具の実用的な使用が可能となり, 装具の多目的な使用(膝伸展位自力ロック, 立ち上がり・移乗動作時の介助量の軽減, 膝関節の伸展位持続伸張, 歩行獲得)とその使用範囲の拡大がもたらされ, 併せて下肢機能の改善に良好な結果が得られた. 長下肢装具は,...
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Veröffentlicht in: | 理学療法学 1993-12, Vol.20 (8), p.514-519 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Step-lock式膝継手付き長下肢装具を使用した15症例(両側片麻痺4例, 右片麻痺6例, 左片麻痺5例)の装具使用状況について追跡調査し, その適応と効果について検討した. 本膝継手は, 伸展方向の動きがあれば15°ずつ9段階に連続して自動ロック可能な特徴をもち, 下肢の重度機能障害や重複障害を呈する症例に処方された. 本膝継手の導入により長下肢装具の実用的な使用が可能となり, 装具の多目的な使用(膝伸展位自力ロック, 立ち上がり・移乗動作時の介助量の軽減, 膝関節の伸展位持続伸張, 歩行獲得)とその使用範囲の拡大がもたらされ, 併せて下肢機能の改善に良好な結果が得られた. 長下肢装具は, 短下肢装具では補助代償できない重度の下肢機能障害に対して使用される. 例えば, 立位や歩行において十分な膝の伸展が得られない場合の膝の支持性増強などの機能的な目的や, 膝関節の変型拘縮の予防および矯正などの治療的な目的で処方されるのが一般的である1-3). また, 最近では, 長下肢装具の治療的意義が見直され4), 発症早期からの積極的な長下肢装具の使用とその効果が報告されている5-7). しかし, これらはいずれも, 訓練場面において一時的に使用されるものであり, 長下肢装具が自力で装着するのが困難で介助が必要であるなどの理由から, 実用面において継続して使用される例はごく少ないとされている8)9). これに対し, われわれは, 臨床場面において, 下肢の重度機能障害や重複障害を呈する症例に, 長下肢装具を実用的に使用していく目的でStep-lock式膝継手を処方し, その使用方法を個々のケースを通して検討してきた10). 本報告では, Step-lock式膝継手付き長下肢装具の処方および使用状況の実態を追跡調査し, その適応と効果について検討を加える. |
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ISSN: | 0289-3770 |
DOI: | 10.15063/rigaku.kj00003128169 |