H波の二重刺激法による数量的測定について

今日まで, 痙性の定量的な評価方法についてはいろいろ考案されている. 神経生理面ではH波による痙性の定量的評価法がある. そしてこれには, 1)H/M閾値比, 2)H/M最大値比, 3)H波の反復誘発法, 4)H波の回復曲線などが含まれている. H波の回復曲線は, 1951年Maglederyらによって提唱されたもので, 初期には第1刺激により生ずる脊髄前角細胞の興奮性レベルの変化, 即ち細胞発火に伴う絶対不応期・相対不応期・Renshawの反回抑制などが回復曲線を規定すると考えられていた. ところが現在では多くの神経機序の関与が推測され, 所見の意味づけが明確にできにくいところもでてきている...

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Veröffentlicht in:理学療法学 1991, Vol.18 (suppl), p.349-349
Hauptverfasser: 西本勝夫, 小林茂, 垣谷慎二, 西野久司, 雪本伸一, 西本俊治, 亀橋聡, 中村昌司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今日まで, 痙性の定量的な評価方法についてはいろいろ考案されている. 神経生理面ではH波による痙性の定量的評価法がある. そしてこれには, 1)H/M閾値比, 2)H/M最大値比, 3)H波の反復誘発法, 4)H波の回復曲線などが含まれている. H波の回復曲線は, 1951年Maglederyらによって提唱されたもので, 初期には第1刺激により生ずる脊髄前角細胞の興奮性レベルの変化, 即ち細胞発火に伴う絶対不応期・相対不応期・Renshawの反回抑制などが回復曲線を規定すると考えられていた. ところが現在では多くの神経機序の関与が推測され, 所見の意味づけが明確にできにくいところもでてきている. しかし痙性の定量的な評価としてはその有用性は高く, これまでにも多くの報告がある. この研究の目的は, これまでの報告が主にパターンの解説であったのに対し, 我々はまず痙性の全体的・数量的測定について検討することである.
ISSN:0289-3770