糖尿病の概説と運動療法

糖尿病の発症率は明らかに増加を続け, わが国において罹病頻度が対人口比1~2%ともいわれ, 行政面での成人病対策の上でも糖尿病は特に重視されてきている. 糖尿病ではさまざまな重篤でしかも特異的な合併症を高率に併発し, 悲惨な予後に至る経過が日常しばしば認められる. 網膜症による失明, 透析療法に委ねられる腎不全をはじめ, 脳および心血管障害, 慢性かつ難治性の感染症など糖尿病を基盤に発生する種々の合併症について, その適切で確実な予防策の確立こそが真摯に求められているといえる. 治療については, 人工膵臓の臨床応用やヒトインスリンの治験がすでに開始されるなど新しい局面が生まれているが, 合併症...

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Veröffentlicht in:理学療法学 1984/10/10, Vol.11(5), pp.302-306
1. Verfasser: 三輪, 梅夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:糖尿病の発症率は明らかに増加を続け, わが国において罹病頻度が対人口比1~2%ともいわれ, 行政面での成人病対策の上でも糖尿病は特に重視されてきている. 糖尿病ではさまざまな重篤でしかも特異的な合併症を高率に併発し, 悲惨な予後に至る経過が日常しばしば認められる. 網膜症による失明, 透析療法に委ねられる腎不全をはじめ, 脳および心血管障害, 慢性かつ難治性の感染症など糖尿病を基盤に発生する種々の合併症について, その適切で確実な予防策の確立こそが真摯に求められているといえる. 治療については, 人工膵臓の臨床応用やヒトインスリンの治験がすでに開始されるなど新しい局面が生まれているが, 合併症の完全な抑止や糖尿病それ自体の根絶の域へはなおほど遠い状況といわざるをえない.
ISSN:0289-3770
2189-602X
DOI:10.15063/rigaku.KJ00003124526