B-7 Ameloblastic fibrodentinoma(エナメル上皮線維象牙質腫)により下顎第2乳臼歯が萌出遅延した1例
【緒言】歯原性腫瘍には歯原性上皮と歯原性外胚葉性間葉との相互誘導作用が腫瘍発生に重要な役割を担うグループがあり, 上皮―間葉腫瘍(歯原性混合腫瘍)と分類される. エナメル上皮線維腫において間葉系成分の分化が進み象牙質の形成がみられるものがAmeloblastic fibrodentinoma(エナメル上皮線維象牙質腫:以下AFと略す)である. 今回, 我々はAFにより下顎左側第2乳臼歯が萌出遅延した症例に遭遇したので報告する. 【症例】4歳10か月(初診時)男児. 【主訴】「Eの萌出遅延を指摘され近医より紹介され来院した. 【処置および経過】初診時「Eは非常に低位であったため対合歯が挺出してお...
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Veröffentlicht in: | 小児口腔外科 2011, Vol.21 (1), p.95-95 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【緒言】歯原性腫瘍には歯原性上皮と歯原性外胚葉性間葉との相互誘導作用が腫瘍発生に重要な役割を担うグループがあり, 上皮―間葉腫瘍(歯原性混合腫瘍)と分類される. エナメル上皮線維腫において間葉系成分の分化が進み象牙質の形成がみられるものがAmeloblastic fibrodentinoma(エナメル上皮線維象牙質腫:以下AFと略す)である. 今回, 我々はAFにより下顎左側第2乳臼歯が萌出遅延した症例に遭遇したので報告する. 【症例】4歳10か月(初診時)男児. 【主訴】「Eの萌出遅延を指摘され近医より紹介され来院した. 【処置および経過】初診時「Eは非常に低位であったため対合歯が挺出しており, 「DE間には歯間空隙が認められた. パノラマエックス線写真所見では「DE間に透過像がみられ, その下に「5の歯胚が認められた. CBCT検査から「DE間に類円形の一部石灰化物を含む単房様骨透過像所見が認められたため, 全身麻酔下で摘出した. 腫瘍摘出後「Eは萌出してきているが, 「5は「Eの前方にあり今後は萌出誘導が必要と考えられる. 【病理所見】病変は被膜様構造を有する境界明瞭な結節状を成していた. 病変内は歯乳頭に類似した歯原性外胚葉性間葉組織成分が主体であり, そこに索状あるいは胞巣状の周縁に柵状配列を伴った歯原性上皮成分の増殖が散在性に認められた. 一部に細管様構造を有した硬組織の形成や象牙粒に類似した構造がみられることから象牙質と考えられた. エナメル質の形成は明らかではなくAFと診断された. 【考察】本症例は低年齢のためパノラマエックス線写真では単純な透過像にしかみえなかったが, CBCTで内部に石灰化物を含む境界明瞭な単房性骨透過像が認められた. 本症例のように低年齢の場合, パノラマエックス線所見だけでは原因不明で経過観察するところであった. 低年齢児において石灰化が未熟な病巣の診断にはCBCTは有効な検査法といえる. |
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ISSN: | 0917-5261 |