低位骨性癒着歯・前歯部開咬に対する新しい治療法: 歯および歯列を含んだ歯槽骨延長
「はじめに」骨延長の原理は, 1950年代にロシアの整形外科医であるIlizarov1)によって確立され, 主に四肢の延長に利用されてきた. 創外固定器を用いて骨切り部を1日1mmずつ牽引延長する方法で, 現在でも四肢再建の切り札として用いられている. 生物学的には骨折の治癒過程で見られる仮骨形成期に外力を加えて, 仮骨をゆっくりと引き伸ばし骨新生を促すものである. 通常, 骨延長は骨切り, 待機期間, 骨延長, 骨硬化期間, 延長期除去という流れで行われる. まず, 延長部骨片断端に血行を確保できるように骨切りを行う. 骨延長開始までの約1週間を待機期間といい, この時期に骨切り手術によって...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 小児口腔外科 2010/12/25, Vol.20(2), pp.142-148 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「はじめに」骨延長の原理は, 1950年代にロシアの整形外科医であるIlizarov1)によって確立され, 主に四肢の延長に利用されてきた. 創外固定器を用いて骨切り部を1日1mmずつ牽引延長する方法で, 現在でも四肢再建の切り札として用いられている. 生物学的には骨折の治癒過程で見られる仮骨形成期に外力を加えて, 仮骨をゆっくりと引き伸ばし骨新生を促すものである. 通常, 骨延長は骨切り, 待機期間, 骨延長, 骨硬化期間, 延長期除去という流れで行われる. まず, 延長部骨片断端に血行を確保できるように骨切りを行う. 骨延長開始までの約1週間を待機期間といい, この時期に骨切り手術によって切離, 剥離された骨膜や周囲組織が治癒し, 骨切りされた骨片間に存在する血餅に毛細血管や繊維芽細胞が出現し組織再生が開始され, 仮骨が形成される(図1). この仮骨を1日に0.5~1mm程度ずつ延長していく. 延長終了後は, 延長期間の5~6倍を目安に, 骨硬化するのを待つ. |
---|---|
ISSN: | 0917-5261 1884-6661 |
DOI: | 10.11265/poms.20.142 |