20 当科において開窓牽引術を行った未萌出埋伏歯の臨床的検討
緒言:未萌出埋伏歯に対する萌出誘導法として開窓牽引術が多く行われているが, 詳細な検討は少ない. 今回われわれは, 開窓牽引術により萌出誘導を行った未萌出埋伏歯について臨床的検討を行ったのでここに報告する. 対象と方法:対象は平成10年から平成18年までの過去9年間に, 未萌出埋伏歯に対し, 単一の矯正歯科医院の依頼により開窓牽引を目的に当科を受診した15歳以下の小児20名である. 萌出誘導を行った歯が歯列内に達していない症例は対象に含めなかった. 評価法として, 開窓牽引前と歯列内到達時における歯の位置をパノラマX線写真を用いて比較検討した. 結果:性別は男児8例, 女児12例で平均年齢は1...
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Veröffentlicht in: | 小児口腔外科 2007, Vol.17 (1), p.67-68 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 緒言:未萌出埋伏歯に対する萌出誘導法として開窓牽引術が多く行われているが, 詳細な検討は少ない. 今回われわれは, 開窓牽引術により萌出誘導を行った未萌出埋伏歯について臨床的検討を行ったのでここに報告する. 対象と方法:対象は平成10年から平成18年までの過去9年間に, 未萌出埋伏歯に対し, 単一の矯正歯科医院の依頼により開窓牽引を目的に当科を受診した15歳以下の小児20名である. 萌出誘導を行った歯が歯列内に達していない症例は対象に含めなかった. 評価法として, 開窓牽引前と歯列内到達時における歯の位置をパノラマX線写真を用いて比較検討した. 結果:性別は男児8例, 女児12例で平均年齢は11歳6か月であった. 未萌出歯の原因として, 腫瘍・嚢胞による萌出障害:8例, 萌出スペースの不足:7例, 歯の位置・萌出方向の異常:4例, 埋伏過剰歯の存在:1例であった. 未萌出歯の部位別分類は, 上顎犬歯:7例, 下顎大臼歯:4例, 上顎前歯:3例, 下顎小臼歯:3例, 上顎小臼歯:2例, 上顎大臼歯:1例であった. 1988年日本小児歯科学会の永久歯萌出時期を基準として埋伏歯の開窓時年齢を比較すると, 開窓時年齢が萌出時期より遅かった症例は, 17例(85%)で, 萌出時期内の症例が3例(15%)であった. 最も多かった上顎犬歯における開窓牽引後の歯列内到達までの期間は平均4.9か月であった. 萌出誘導を行う歯の開窓牽引にあたり, 他の歯を抜歯した症例は20例中9例(45%)で, 上顎犬歯の場合, 7例中4例(57%)であった. また, 開窓牽引途中や牽引後に歯肉に炎症を生じた症例や, 開窓牽引途中に隣在歯の歯根吸収を生じている症例などもみられた. 考察:開窓牽引により萌出誘導を図る歯が他の歯と著しく近接している場合には特に注意を要するものと思われた. 質問 広島大・口腔保健学 天野秀昭 犬歯埋伏の原因としてスペース不足が挙げられていましたが, 歯胚位置異常や萌出方向の異常等と分類されるのではないでしょうか. 回答 熊本大・顎口腔病態学 中山秀樹 ご指摘のとおり, 原因が果たして萌出方向の異常か歯胚の位置異常かスーペス不足かをしっかりと分類することは大切だと思います. 本検討においては対象症例をふり返って主にパノラマX線写真を参考に判断しています. 今後改めて原因を詳細に再考したいと思います. 質問 岡山大・歯顎口腔病態外科 塚本剛一 大臼歯例の埋伏原因の詳細を教えて下さい. 回答 熊本大・顎口腔病態学 杉尾美香 大臼歯の萌出障害としては, 嚢胞などの症例が多かったと記憶しておりますが, 詳細につきましてはこの場では分かりかねます. |
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ISSN: | 0917-5261 |