B-3.乳臼歯および第一大臼歯の萌出障害を伴うAmeloblastic fibro-odontomaの1症例
Ameloblastic fibro-odontomaは, 歯原性上皮と間葉系上皮の混在する上皮線維腫様の腫瘍組織の中に歯牙様硬組織の形成がみられる, 比較的な稀な良性腫瘍である. 本腫瘍は, 若年者の下顎臼歯部に生じて, 歯の萌出や位置異常を引き起こすことが多い. 今回, 3歳男児の下顎骨に, 乳臼歯の萌出障害を引き起こしているAmeloblastic fibro-odontomaを認めたので, 報告する. 患児:3歳男児 初診日:平成12年9月22日 主訴:下顎乳臼歯部の萌出遅延 現病歴:3歳児健診のため受診した近歯科医院にて, 下顎左側乳臼歯部の萌出遅延を指摘され, 当大学附属病院を受診...
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Veröffentlicht in: | 小児口腔外科 2004, Vol.14 (1), p.57-57 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Ameloblastic fibro-odontomaは, 歯原性上皮と間葉系上皮の混在する上皮線維腫様の腫瘍組織の中に歯牙様硬組織の形成がみられる, 比較的な稀な良性腫瘍である. 本腫瘍は, 若年者の下顎臼歯部に生じて, 歯の萌出や位置異常を引き起こすことが多い. 今回, 3歳男児の下顎骨に, 乳臼歯の萌出障害を引き起こしているAmeloblastic fibro-odontomaを認めたので, 報告する. 患児:3歳男児 初診日:平成12年9月22日 主訴:下顎乳臼歯部の萌出遅延 現病歴:3歳児健診のため受診した近歯科医院にて, 下顎左側乳臼歯部の萌出遅延を指摘され, 当大学附属病院を受診した. 全身的所見および顔貌所見:顔貌は左右対称性で, 全身的所見においても特に以上は認められない. 口腔内所見:下顎左側乳臼歯を除くすべての乳歯は萌出していた. 下顎左側乳臼歯相当部頬側歯槽骨に無痛性で軽度の骨膨隆を認める, エックス線所見:パノラマエックス線写真にて, 下顎左側乳臼歯の埋伏と乳臼歯歯冠周囲および下顎左側第一大臼歯の歯胚直上に境界明瞭な単房性の透過像の中に石灰化組織と思われる不定形の不透過像を認めた. 第二小臼歯, 第一および第二大臼歯の歯胚の欠損が認められた. 臨床的診断:Cystic Odontoma 治療方針:下顎左側乳臼歯の萌出障害を引き起こしている腫瘍性病変の摘出 処置:左側下顎骨腫瘍の摘出術および開窓術を施行した. 病理組織学的所見:歯乳頭を思わせる結合組織の中に歯原性上皮の小塊状や歯牙様構造物を認めた. 歯牙様硬組織形成の著明な部分では, 小型の歯胚を思わせる構造が認められた. 病理診断:Ameloblastic fibro-odontoma 経過:摘出後3年を経過した現在, 再発もなく経過は良好である. 埋伏していた乳臼歯および第一大臼歯は萌出傾向にある. |
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ISSN: | 0917-5261 |