12歳男児の歯牙腫を伴った含歯性嚢胞の1例

顎骨内に発生する嚢胞の中で含歯性嚢胞は, 歯根嚢胞の次に発生頻度が高いといわれている1). また歯牙腫の発生頻度は歯原性腫瘍の中では比較的多い疾患であるが報告者により著しい差がある2). 両者が同時に発生したとする症例は非常に稀と思われる. 今回われわれは, 晩期残存の左側下顎乳犬歯直下の左側下顎犬歯に起因する含歯性嚢胞で嚢胞腔内に歯牙腫を伴った症例を経験したので概要を報告する. 症例 患者:12歳, 男児 初診:平成13年2月28日 主訴:左側下顎乳犬歯部の精査希望 既往歴, 家族歴:特記事項なし 現病歴:矯正歯科医院から晩期残存の左側下顎乳犬歯抜歯依頼にて平成13年2月24日某歯科医院を受...

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Veröffentlicht in:小児口腔外科 2004/06/25, Vol.14(1), pp.31-34
Hauptverfasser: 千頭, 佳奈, 笠井, 真一, 古市, 貴暢, 岩崎, 昭憲, 田村, 暢章, 小川, 尊明, 大林, 由美子, 三宅, 実, 長畠, 駿一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:顎骨内に発生する嚢胞の中で含歯性嚢胞は, 歯根嚢胞の次に発生頻度が高いといわれている1). また歯牙腫の発生頻度は歯原性腫瘍の中では比較的多い疾患であるが報告者により著しい差がある2). 両者が同時に発生したとする症例は非常に稀と思われる. 今回われわれは, 晩期残存の左側下顎乳犬歯直下の左側下顎犬歯に起因する含歯性嚢胞で嚢胞腔内に歯牙腫を伴った症例を経験したので概要を報告する. 症例 患者:12歳, 男児 初診:平成13年2月28日 主訴:左側下顎乳犬歯部の精査希望 既往歴, 家族歴:特記事項なし 現病歴:矯正歯科医院から晩期残存の左側下顎乳犬歯抜歯依頼にて平成13年2月24日某歯科医院を受診した. デンタルエックス線写真で埋伏した左側下顎犬歯歯冠周囲の嚢胞様透過像および内部に歯牙様不透過像を認めたため, 当科での精査加療を勧められ平成13年2月28日当科外来を紹介により受診した. 現症:顔貌は左右対称で, 左側頬部に腫脹, 圧痛等異常所見は認められなかった. 口腔内所見では, 右側下顎犬歯は既に萌出していたが, 左側では乳犬歯が残存し, 犬歯は未萌出であった.
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms1991.14.31