小児の上顎に発生した血管内皮腫の1例

骨に発生する血管内皮腫は, WHOの分類1)では脈管腫瘍において良性と悪性の中間に位置するといわれ, 顎骨での発生はきわめてまれであるといわれ ている2). 今回, われわれは, 5歳男児の上顎骨に発生し, 口腔内出血を繰り返した血管内皮腫の一例を経験したので, その臨床的概要を報告する. 症例 患者:5歳, 男児. 初診:平成10年5月18日. 主訴:左上顎臼歯部歯肉よりの出血. 既往歴:1歳時から3歳6か月まで小児喘息. 4歳時からアトピー性皮膚炎. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:平成10年5月1日口腔内より出血を認めるも, すぐ止血したため放置. その後数回の口腔内出血を認めたため某歯...

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Veröffentlicht in:小児口腔外科 2003/12/25, Vol.13(2), pp.36-42
Hauptverfasser: 山口, 孝二郎, 今村, 晴幸, 松井, 竜太郎, 吉田, 雅司, 上川, 善昭, 宮原, 麻由美, 向井, 洋, 杉原, 一正, 田沼, 順一, 仙波, 伊知郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:骨に発生する血管内皮腫は, WHOの分類1)では脈管腫瘍において良性と悪性の中間に位置するといわれ, 顎骨での発生はきわめてまれであるといわれ ている2). 今回, われわれは, 5歳男児の上顎骨に発生し, 口腔内出血を繰り返した血管内皮腫の一例を経験したので, その臨床的概要を報告する. 症例 患者:5歳, 男児. 初診:平成10年5月18日. 主訴:左上顎臼歯部歯肉よりの出血. 既往歴:1歳時から3歳6か月まで小児喘息. 4歳時からアトピー性皮膚炎. 家族歴:特記事項なし. 現病歴:平成10年5月1日口腔内より出血を認めるも, すぐ止血したため放置. その後数回の口腔内出血を認めたため某歯科を受診し, 精査のため当科を紹介されて来院した. 現症 口腔外所見:栄養, 体格は中等度にて, 顔貌は左右非対称で. 左頬部にクルミ大の骨様硬の膨隆が認められた. 所属リンパ節の病的腫大はいずれも認められなかった(写真1).
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms1991.13.2_36