幼児の下唇に発生した外傷性神経腫の1例

外傷性神経腫は切断神経腫とも呼ばれ, 神経切断後に切断部の神経細胞が過剰再生したもので, 真の腫瘍ではない1). 頭頸部では, 頸部郭清術後や2), 耳下腺腫瘍摘出後に大耳介神経における発症が3), 口腔領域では, 術後に三叉神経枝に関連した発症が散見的に報告されている. 欧米では, オトガイ孔部をはじめとして, 下唇や舌などさまざまな部位での発症が報告4))されているが, 本邦での報告例は, そのほとんどがオトガイ孔部であり, 下唇での報告はみられない. 今回われわれは, 下唇にみられた外傷性神経腫の1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 症例 患者:4歳, 男児 初診:平成12...

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Veröffentlicht in:小児口腔外科 2001/06/25, Vol.11(1), pp.13-16
Hauptverfasser: 小沼, 宏臣, 重松, 久夫, 加賀谷, 雅之, 浜尾, 綾, 鈴木, 正二, 坂下, 英明, 草間, 薫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:外傷性神経腫は切断神経腫とも呼ばれ, 神経切断後に切断部の神経細胞が過剰再生したもので, 真の腫瘍ではない1). 頭頸部では, 頸部郭清術後や2), 耳下腺腫瘍摘出後に大耳介神経における発症が3), 口腔領域では, 術後に三叉神経枝に関連した発症が散見的に報告されている. 欧米では, オトガイ孔部をはじめとして, 下唇や舌などさまざまな部位での発症が報告4))されているが, 本邦での報告例は, そのほとんどがオトガイ孔部であり, 下唇での報告はみられない. 今回われわれは, 下唇にみられた外傷性神経腫の1例を経験したので, 文献的考察を加えて報告する. 症例 患者:4歳, 男児 初診:平成12年2月5日 主訴:右側下唇の腫脹 既往歴, 家族歴:特記事項なし 現病歴:平成9年(患児1歳時)に転倒し下唇部に外傷を受けた. 受傷後, 徐々に同部に腫瘤が出現した. 平成10年3月(2歳1か月時), A病院にて粘液嚢胞の臨床診断にて全身麻酔下に摘出術を受けた. 約6か月後に, 再度同部に腫瘤の形成を認めたが, 自発痛が無いためそのまま放置していた.
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms1991.11.13