口腔内外に自傷行為を繰り返した小児心身症の1例

心身症は, その発症と経過に心理社会的な問題が密接に関与し, 器質的ないし機能的障害が認められる病態1)と定義されている. 今日では心身症と言う名称は, 単独の疾患名としてではなく, 「一般身体疾患に影響を与える心理的要因」1)として評価されている. 近年, 成人のみならず小児においても, その発現が増加傾向にある. 一方, 小児期において口腔は, その心理面での関与がとりわけ強い一器官で, 精神発達上も特に意義深い器官である2). そのため, 口腔領域に心身症の一分症として歯軋り, 弄舌癖等の症状を発現する例は少なくない. しかしながら, 初発症状として, 口腔内に自傷行為を繰り返した症例の...

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Veröffentlicht in:小児口腔外科 1998/06/25, Vol.8(1), pp.34-37
Hauptverfasser: 稲見, 健一郎, 小原, はるみ, 福井, 朗, 小松, 賢一, 金森, 栄治, 木村, 博人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:心身症は, その発症と経過に心理社会的な問題が密接に関与し, 器質的ないし機能的障害が認められる病態1)と定義されている. 今日では心身症と言う名称は, 単独の疾患名としてではなく, 「一般身体疾患に影響を与える心理的要因」1)として評価されている. 近年, 成人のみならず小児においても, その発現が増加傾向にある. 一方, 小児期において口腔は, その心理面での関与がとりわけ強い一器官で, 精神発達上も特に意義深い器官である2). そのため, 口腔領域に心身症の一分症として歯軋り, 弄舌癖等の症状を発現する例は少なくない. しかしながら, 初発症状として, 口腔内に自傷行為を繰り返した症例の報告は国内外ともに希であり, 今回, われわれはその一例を経験したので報告する. 症例 患児:8歳, 男児.
ISSN:0917-5261
1884-6661
DOI:10.11265/poms1991.8.34