顎関節軟骨線維層におけるEGF(Epidermal Growth Factor)の影響について

近年, 小児期における顎関節の成長が注目されている. なぜなら青年期および老年期における顎関節疾患の原因のひとつに下顎頭の形態異常から生じるものがあげられ, 下顎頭の発育形成期における異常の診断と治療は, その後の顎関節疾患予防の観点からも重要な役割を果たすからである1). この下顎頭の成長は顔面頭蓋の他の器官と比較して固有の発育形態がみられ一般的に早い時期に成熟期をむかえる. たとえばヒトにおいて, 下顎頭は胎生2ヵ月から混合歯列期にかけて成長し, その後には著明な変化はみられないとの報告がある2). また組織学的にみても10歳後半になると下顎頭軟骨層の幅に減少がみられ始め, この時期が成長...

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Veröffentlicht in:小児口腔外科 1998, Vol.8 (1), p.6-11
Hauptverfasser: 三光寺威志, 椿井孝芳, 東義景
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 小児期における顎関節の成長が注目されている. なぜなら青年期および老年期における顎関節疾患の原因のひとつに下顎頭の形態異常から生じるものがあげられ, 下顎頭の発育形成期における異常の診断と治療は, その後の顎関節疾患予防の観点からも重要な役割を果たすからである1). この下顎頭の成長は顔面頭蓋の他の器官と比較して固有の発育形態がみられ一般的に早い時期に成熟期をむかえる. たとえばヒトにおいて, 下顎頭は胎生2ヵ月から混合歯列期にかけて成長し, その後には著明な変化はみられないとの報告がある2). また組織学的にみても10歳後半になると下顎頭軟骨層の幅に減少がみられ始め, この時期が成長の成熟期であるといわれている3). このような身体の固有の発育形態には多くの細胞成長因子が関係しているといわれている4)5)6).
ISSN:0917-5261