多数の埋伏過剰歯を有する2症例について
小児歯科臨床において埋伏過剰歯に遭遇することは少なくない. 従来の報告の多くは, 上顎前歯部にみられるもので, 臼歯部を含む多数の埋伏過剰歯についてのものは, ほとんどみられない. 今回, 我々は前歯部から臼歯部にかけて多数の埋伏過剰歯がみられた2症例を経験したので報告する. 症例1は初診時9歳9か月の男児, 上顎永久中切歯の萌出遅延を主訴に来院した. X線診査の結果, 上顎前歯部および側方歯部に多数の埋伏過剰歯が認められた. 萌出障害を起こしていると思われる正中部の埋伏過剰歯を摘出したが永久中切歯の下方への移動は顕著ではなかったため開窓, 牽引, 誘導処置をおこなった. 側方歯部の過剰歯に関...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 小児歯科臨床において埋伏過剰歯に遭遇することは少なくない. 従来の報告の多くは, 上顎前歯部にみられるもので, 臼歯部を含む多数の埋伏過剰歯についてのものは, ほとんどみられない. 今回, 我々は前歯部から臼歯部にかけて多数の埋伏過剰歯がみられた2症例を経験したので報告する. 症例1は初診時9歳9か月の男児, 上顎永久中切歯の萌出遅延を主訴に来院した. X線診査の結果, 上顎前歯部および側方歯部に多数の埋伏過剰歯が認められた. 萌出障害を起こしていると思われる正中部の埋伏過剰歯を摘出したが永久中切歯の下方への移動は顕著ではなかったため開窓, 牽引, 誘導処置をおこなった. 側方歯部の過剰歯に関してはその発育と隣接永久歯の萌出状態を経過観察していたが経過観察中にも上顎左側小臼歯部に新たに埋伏過剰歯が確認された. 永久歯の萌出障害の原因となっていると思われる過剰歯について順次摘出を行っている. 症例2は初診時10歳6か月の男児, 側方永久歯の萌出遅延, 過剰歯の精査を主訴に来院した. 患児は上顎正中埋伏過剰歯を摘出した既往があった. X線診査の結果, 上顎左側犬歯部(1歯)と下顎左右側小臼歯部に多数の埋伏歯が確認されたが, 積極的な開窓や摘出に同意が得られなかったため, 晩期残存の乳臼歯の抜歯を行った後, 後継永久歯の萌出誘導をはかった. また経過観察中の16歳4か月時, 上顎左側小臼歯部に新たに埋伏過剰歯が確認された. 今後過剰歯の歯根形成状態や萌出状態を考慮しながら対応を検討していく予定である. |
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ISSN: | 0917-5261 |