顎顔面奇形の臨床統計的研究

唇裂, 口蓋裂を主体とする顎顔面奇形は, 外表奇形の中で最も多く, 口腔外科領域における重要な疾患の一つである. また他部奇形を合併した種々の症候群の一症候であることも多く, 新生児集中治療部（NICU）, 小児科, 形成外科, 耳鼻咽喉科などとのチームアプローチによる集学的治療を必要とする場合が少なくない. 今回, われわれは当科開設以来13年10か月間に当科を受診した顎顔面奇形患者について, 臨床統計的研究を行ったので, その概要を報告する. 対象および観察項目 1981年10月より1995年8月までの13年10か月間に当科を受診した15歳以下の顎顔面奇形患者237名が対象である. 年度別患者数, 紹介経路, 疾患別患者数, 唇顎口蓋裂の裂型別症例数, 顎顔面奇形を一症候とした症候群, 顎顔面奇形に合併した他部奇形および手術内容について統計的研究を行った.