上顎正中過剰埋伏歯の臨床統計的観察
〈目的〉 上顎正中過剰埋伏歯症例は, 患者が低年齢であることが多く, その抜歯時期において苦慮することがある. また, 放置した場合, その存在が上顎中切歯の萌出異常を招来するのか否か不明な点がある. そこで, 我々は昭和60年から平成5年までの9年間に当科で経験した上顎正中過剰埋伏歯症例197例の臨床統計的観察を試みたので報告した. 〈結果〉 対象とした症例は, 197例中12歳以下で, 資料の不足しているものを除いた154例であり, 男性119例, 女性35例で, その初診時平均年齢は男性8歳1ヶ月, 女性8歳5ヶ月で男性症例が明かに多かった. 初診時年齢は, 7,8歳代が多く, 初診時か...
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Zusammenfassung: | 〈目的〉 上顎正中過剰埋伏歯症例は, 患者が低年齢であることが多く, その抜歯時期において苦慮することがある. また, 放置した場合, その存在が上顎中切歯の萌出異常を招来するのか否か不明な点がある. そこで, 我々は昭和60年から平成5年までの9年間に当科で経験した上顎正中過剰埋伏歯症例197例の臨床統計的観察を試みたので報告した. 〈結果〉 対象とした症例は, 197例中12歳以下で, 資料の不足しているものを除いた154例であり, 男性119例, 女性35例で, その初診時平均年齢は男性8歳1ヶ月, 女性8歳5ヶ月で男性症例が明かに多かった. 初診時年齢は, 7,8歳代が多く, 初診時から抜歯までの期間は, Hellmanの歯牙年齢IIA期において最も長く6.8ヶ月で, その他の時期では1ヶ月前後であった. 過剰埋伏歯の位置としては, 上顎中切歯の歯根部の歯列内もしくは口蓋側にあるものが多く, 抜歯の際のアプローチも口蓋側からのものが多かった. 上顎中切歯の位置・萌出異常としては, 萌出遅延が最も多く24%の症例で見られた. 上顎中切歯未萌出症例における埋伏過剰歯の位置としては, 埋伏中切歯の歯冠に近接した症例がもっとも多かった. 〈 |
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ISSN: | 0917-5261 |