永久歯保存のため開窓療法を施行した濾胞性歯襄胞例
1936年, Russelが顎骨内襄胞に対する開窓療法を報告して以来, その有用性が認められ, 現在広く臨床に応用されている. 今回われわれは, 1987年4月1日より1992年3月31日までの過去5年間に, 含歯性襄胞と診断された15歳までの小児患者23名26部位を対象として, 永久歯保存のため, 開窓療法を施行し, 良好な治癒経過を得たので報告した. 観察項目は, 襄胞の部位, 大きさ, 埋伏歯の歯根完成度, 歯軸の傾斜, 矯正処置の有無と萌出状態, さらに開窓後の襄胞の縮小状態について調査した. 初診時年齢は7歳から13歳で, 男女比は1:1.3だった. 埋伏歯は下顎第2小臼歯部が圧倒的...
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Veröffentlicht in: | 小児口腔外科 1995, Vol.5 (2), p.108-109 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1936年, Russelが顎骨内襄胞に対する開窓療法を報告して以来, その有用性が認められ, 現在広く臨床に応用されている. 今回われわれは, 1987年4月1日より1992年3月31日までの過去5年間に, 含歯性襄胞と診断された15歳までの小児患者23名26部位を対象として, 永久歯保存のため, 開窓療法を施行し, 良好な治癒経過を得たので報告した. 観察項目は, 襄胞の部位, 大きさ, 埋伏歯の歯根完成度, 歯軸の傾斜, 矯正処置の有無と萌出状態, さらに開窓後の襄胞の縮小状態について調査した. 初診時年齢は7歳から13歳で, 男女比は1:1.3だった. 埋伏歯は下顎第2小臼歯部が圧倒的多数を占めていた. 襄胞の大きさは, 小指頭大から鶏卵大まで認められ, 全例が3ヵ月以内に襄胞の縮小を開始した. また, 初診時の襄胞の大きさが小さいほど, 早期に襄胞の縮小化が認められた. 埋伏歯の歯根完成度は対側より低く, また襄胞が大きな症例では, 歯根の形成が遅延していた. 襄胞の形成状態をThomaの分類でみると, 中心型が26部位中19部位で, 側方型は7部位だった. 中心型では, 歯軸傾斜の強い症例は, 矯正治療の必要性が不可欠であると思われた. 側方型では, 示指頭大以下の大きさで, 歯軸が正常な症例であると, 矯正治療を行わずとも自力的萌出を認めた. 埋伏歯の歯軸は, 正常が8本31%で, この内6本は矯正治療を行わずとも埋伏歯は正常歯列内に萌出した. また歯軸が傾斜した埋伏歯18本中, 矯正処置を行わなかった10本のうち, 埋伏歯の萌出が確認できたものは8本だった. 矯正治療を施行した症例は全例正常列内への萌出を認めた. |
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ISSN: | 0917-5261 |