舌破裂を伴った下口唇および下顎正中裂の1例

顎顔面に発生する奇形のうち, 下口唇ならびに下顎正中裂の発生頻度は極めてまれである. 今回我々は, 下口唇, 下顎および舌が正中で離開し, 願の皮膚が帯状に舌部に入りこんだ症例を経験した. その1次手術および6年経過後の左右下顎骨固定術についての概要を報告する. 患児は, 昭和58年7月15日生まれの男児で, 哺乳障害および審美障害を主訴として, 昭和58年7月30日に当科に紹介されて来院した. 母親の妊娠中における異常所見は認められず, 在胎37週正常分娩で, 患児の生下時体重は2,465gであった. 他の臓器には異常は認められず, 昭和59年1月13日(生後6ヵ月)に, 1次手術として下口...

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Veröffentlicht in:小児口腔外科 1991, Vol.1 (2), p.54-54
Hauptverfasser: 小野富昭, 岩佐俊明, 杉山芳樹, 石井正俊, 徳島貴子, 新井洋臣, 宇野満, 大塚明子, 河野真紀, 石井良昌, 榎本昭二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:顎顔面に発生する奇形のうち, 下口唇ならびに下顎正中裂の発生頻度は極めてまれである. 今回我々は, 下口唇, 下顎および舌が正中で離開し, 願の皮膚が帯状に舌部に入りこんだ症例を経験した. その1次手術および6年経過後の左右下顎骨固定術についての概要を報告する. 患児は, 昭和58年7月15日生まれの男児で, 哺乳障害および審美障害を主訴として, 昭和58年7月30日に当科に紹介されて来院した. 母親の妊娠中における異常所見は認められず, 在胎37週正常分娩で, 患児の生下時体重は2,465gであった. 他の臓器には異常は認められず, 昭和59年1月13日(生後6ヵ月)に, 1次手術として下口唇形成術, 舌の形成および伸展術, 下顎正中部の口腔底, 口腔, 前庭, および頤部形成術を行った. 1次手術後, 日常生活に差障りなかったが, 下顎骨の成長への影響および顔貌への配慮から, 2次手術として平成2年1月24日(6歳5ヵ月)チタンプレートにより左右の下顎骨固定術をおこなった. 現在経過良好中である.
ISSN:0917-5261