太極拳実施に伴う脳波の変化

「要旨」太極拳の実施中およびその練習過程における脳波の変化を, 各種生理指標とともに計測した. 被験者は, 初心者から鍛錬11年以上の師範格の者まで計6名である. 通常の安静時に比較し, 立位で行う瞑想, 立禅では後頭部のα波が大きくなる傾向が見られたが, 動きを伴う太極拳実施中は, 特に初心者では小さくなり, 終了後にリラックスして大きくなる傾向が認められた. 上級者ほど, 前頭/後頭α波平均振幅比(Fp2/O2)が大きく, 前頭-後頭間α波の位相時間差は初心者ほど短かった. 初心者は太極拳の動きを追うことに集中し, 緊張しているが, 上級になるほどリラックスしてできるようになると思われた....

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Hauptverfasser: 河野貴美子, 桂川秀嗣, 小久保秀之, 山本幹男, 橋爪秀一, 鎌田明彦, 渡辺恒夫
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」太極拳の実施中およびその練習過程における脳波の変化を, 各種生理指標とともに計測した. 被験者は, 初心者から鍛錬11年以上の師範格の者まで計6名である. 通常の安静時に比較し, 立位で行う瞑想, 立禅では後頭部のα波が大きくなる傾向が見られたが, 動きを伴う太極拳実施中は, 特に初心者では小さくなり, 終了後にリラックスして大きくなる傾向が認められた. 上級者ほど, 前頭/後頭α波平均振幅比(Fp2/O2)が大きく, 前頭-後頭間α波の位相時間差は初心者ほど短かった. 初心者は太極拳の動きを追うことに集中し, 緊張しているが, 上級になるほどリラックスしてできるようになると思われた. 「1. はじめに」筆者の一人河野は, 今まで各種の気功や瞑想における脳波を計測し, 比較検討してきた. 今回, 太極拳実施における各種生理指標の変化を, 練功年数の異なる被験者で計測し, リラックスや緊張が考えられる課題実施時との差, および練功年数の違いによる差を比較し, 検討した.
ISSN:1341-9226