片麻痺における有酸素トレーニング効果

片麻痺患者6例に対して約3ヵ月間の有酸素トレーニングを行い, その効果を呼気ガス, 心拍数, 10m歩行スピードより検討した. 酸素摂取量よリ算定した作業時のエネルギー効率が改善したのは6例中2例であったが, VATは6例中4例に改善を認めた. 10mスピードは測定し得た5例全員に何らかの改善が見られた. 一方, 6例中4例に同一労作時における心拍数の増加を認めた. 以上の結果より, 片麻痺においても有酸素トレーニングが有用な効果を提供し得ると考えるが, 同時に心循環系の反応に留意する必要があることが示唆された. 近年, 片麻痺患者に対する運動療法の一手段としてトレッドミルや自転車エルゴメター...

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Veröffentlicht in:運動生理 1991-02, Vol.6 (1), p.5-9
Hauptverfasser: 小室透, 間瀬教史, 居村茂幸, 藤原誠, 辻田純三, 中村あゆみ, 田中隆司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:片麻痺患者6例に対して約3ヵ月間の有酸素トレーニングを行い, その効果を呼気ガス, 心拍数, 10m歩行スピードより検討した. 酸素摂取量よリ算定した作業時のエネルギー効率が改善したのは6例中2例であったが, VATは6例中4例に改善を認めた. 10mスピードは測定し得た5例全員に何らかの改善が見られた. 一方, 6例中4例に同一労作時における心拍数の増加を認めた. 以上の結果より, 片麻痺においても有酸素トレーニングが有用な効果を提供し得ると考えるが, 同時に心循環系の反応に留意する必要があることが示唆された. 近年, 片麻痺患者に対する運動療法の一手段としてトレッドミルや自転車エルゴメターを用いた有酸素トレーニングが取り入れられつつある. 有酸素トレーニングの効果については, 従来より肥満・糖尿病等の代謝疾患や呼吸・循環器疾患などを対象として研究が進められており, 糖・脂質代謝の改善, インシュリン感受性の改善, 循環機能の改善等が認められている.
ISSN:0912-7100