平衡機能の運動生理と解析
運動失調症状に対して動作・障害学的観点から運動生理的な解析を試みた. その際とくに, 制御機構の破綻状態と運動療法概念との有機的な関係を考慮し, 協調・平衡障害を論議の中心に据えた. その結果, 運動失調症の障害特性が明確となり, 特に躯幹協調能の意義と重症度を客観的に示し得た. ここで得られた知見は, 広義の平衡機能の検討に対しても応用の可能性が示唆された. 運動失調症に関する知見を振り返ると, リハビリテーション医学と密接な関わりを有するものとして, 1880年代に実践された脊髄勞の患者に対するFrenkelの体操1)があげられる. 視覚代償能と中枢神経系の学習効果を基盤とした治療法ととも...
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Veröffentlicht in: | 運動生理 1990-08, Vol.5 (3), p.127-137 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 運動失調症状に対して動作・障害学的観点から運動生理的な解析を試みた. その際とくに, 制御機構の破綻状態と運動療法概念との有機的な関係を考慮し, 協調・平衡障害を論議の中心に据えた. その結果, 運動失調症の障害特性が明確となり, 特に躯幹協調能の意義と重症度を客観的に示し得た. ここで得られた知見は, 広義の平衡機能の検討に対しても応用の可能性が示唆された. 運動失調症に関する知見を振り返ると, リハビリテーション医学と密接な関わりを有するものとして, 1880年代に実践された脊髄勞の患者に対するFrenkelの体操1)があげられる. 視覚代償能と中枢神経系の学習効果を基盤とした治療法とともに, 「治療する公園」と称した集団治療の相乗効果は現在の治療医学にあっても学ぶところが多い. また1900年代の初頭にHolmes 2)は, 小脳性運動失調症の中核症状の一つとして“truncal ataxia”が歩行能力に重要な影響を及ぼす症候学を提唱している. |
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ISSN: | 0912-7100 |