慢性関節リウマチ患者の呼吸機能

慢性関節リウマチ(RAと略す)患者31名に対し, 胸部X線所見, 肺機能検査, 胸郭拡張差を測定し, RAの呼吸機能の特性について検討した. 胸部X線所見では罹病期間が長くなるにしたがい異常所見の出現率が高くなり, 15年以上では100%であった. 肺機能検査では%VCの低下がみられ, 拘束性換気障害が認められた. また, V25/Htの低下がみられ, これらの症例は拘束性障害も有するものが多かった. 胸郭拡張差は平均4.10cmと低値を示した. 以上より, RAの呼吸機能特性として拘束性換気機能障害と細気管支レベルでの閉塞性換気機能障害が併存するという複雑な病態が示唆され, 理学療法を実施し...

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Veröffentlicht in:運動生理 1987, Vol.2 (2), p.83-86
Hauptverfasser: 坂本雅昭, 亀田実, 坂本眞一郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:慢性関節リウマチ(RAと略す)患者31名に対し, 胸部X線所見, 肺機能検査, 胸郭拡張差を測定し, RAの呼吸機能の特性について検討した. 胸部X線所見では罹病期間が長くなるにしたがい異常所見の出現率が高くなり, 15年以上では100%であった. 肺機能検査では%VCの低下がみられ, 拘束性換気障害が認められた. また, V25/Htの低下がみられ, これらの症例は拘束性障害も有するものが多かった. 胸郭拡張差は平均4.10cmと低値を示した. 以上より, RAの呼吸機能特性として拘束性換気機能障害と細気管支レベルでの閉塞性換気機能障害が併存するという複雑な病態が示唆され, 理学療法を実施していく上での呼吸訓練の重要性が認められた.
ISSN:0912-7100
DOI:10.1589/rika1986.2.83