ラット膝関節拘縮2週後における関節包及び関節軟骨の組織病理学的変化

目的 : ラット膝関節拘縮モデルを用い、関節構成体である関節包や関節軟骨がどのような変化を起こしているのかを組織学的に観察し、検討した。対象と方法 : 9週齢のWistar系雄ラット3匹の右後肢を股関節最大伸展、膝関節最大屈曲位、足関節最大低屈位、にて固定し固定群とした。左後肢は自由にし対照群とした。採取した膝関節をホルマリン液にて組織固定し、脱灰後パラフィン包埋し標本を作製した。染色はヘマトキシリン · エオジン染色とエラスチカ · ワンギーソン染色を行い、光学顕微鏡下にて関節包、関節軟骨の病理組織学的観察を行った。結果 : 固定群では対照群に比べて関節包の厚さが減少し、線維性結合織が粗性か...

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Veröffentlicht in:理学療法科学 2001, Vol.16(2), pp.71-76
Hauptverfasser: 武村, 啓住, 細, 正博, 由久保, 弘明, 井上, 悟, 兼盛, 淑子, 立野, 勝彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的 : ラット膝関節拘縮モデルを用い、関節構成体である関節包や関節軟骨がどのような変化を起こしているのかを組織学的に観察し、検討した。対象と方法 : 9週齢のWistar系雄ラット3匹の右後肢を股関節最大伸展、膝関節最大屈曲位、足関節最大低屈位、にて固定し固定群とした。左後肢は自由にし対照群とした。採取した膝関節をホルマリン液にて組織固定し、脱灰後パラフィン包埋し標本を作製した。染色はヘマトキシリン · エオジン染色とエラスチカ · ワンギーソン染色を行い、光学顕微鏡下にて関節包、関節軟骨の病理組織学的観察を行った。結果 : 固定群では対照群に比べて関節包の厚さが減少し、線維性結合織が粗性から密性へと質的に変化して弾性線維は減少していた。また固定群では関節軟骨表層の線維増生と考えられる変化が観察された。結論 : 以上の変化は関節構成体である関節包、関節軟骨の萎縮と考えられ、この概念提起が有効であれば、筋や骨と同様関節包、関節軟骨にも廃用性萎縮の概念が適用できる可能性が示唆された。
ISSN:1341-1667
2434-2807
DOI:10.1589/rika.16.71