老人保健施設におけるトランスファー介助動作の回数と所要時間
老人保健施設に勤務する介護職員の8種類の勤務パターンにおいてタイムスタディを行い, トランスファー介助動作の回数と所要時間を勤務時間帯と担当業務内容により検討した. 平均回数は18.6回であり, 平均所要時間は92.6秒であった. 時間ごとに回数をみると9時台と13時台が多く, これは食後の休憩後に活動を開始する時間帯であった. 業務内容別では特殊浴・浴室外担当と夜勤担当で頻度が高かった. 勤務時間と担当業務によりトランスファー介助動作の頻度は異なり, 介助が集中する時間帯や介助方法も異なった. このことから勤務時間帯や担当業務により身体的負担も異なることが示された. 看護職員や介護職員の腰痛...
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Veröffentlicht in: | 理学療法科学 2000-11, Vol.15 (4), p.181-186 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 老人保健施設に勤務する介護職員の8種類の勤務パターンにおいてタイムスタディを行い, トランスファー介助動作の回数と所要時間を勤務時間帯と担当業務内容により検討した. 平均回数は18.6回であり, 平均所要時間は92.6秒であった. 時間ごとに回数をみると9時台と13時台が多く, これは食後の休憩後に活動を開始する時間帯であった. 業務内容別では特殊浴・浴室外担当と夜勤担当で頻度が高かった. 勤務時間と担当業務によりトランスファー介助動作の頻度は異なり, 介助が集中する時間帯や介助方法も異なった. このことから勤務時間帯や担当業務により身体的負担も異なることが示された. 看護職員や介護職員の腰痛有訴率は高く, 多くの疫学的調査が行われている1)-3). この腰痛の原因の一つとして考えられている介護動作にトランスファー介助動作があげられる4). この動作は要介助者の体重の一部または全部を介助者が支え, 水平移動と垂直移動を行う動作である. この回旋を伴ったリフティング動作が, 負担要因の一つと考えられ, 脊柱や背筋にかかる負担など多くの研究がなされている5)-7). また, 一日の介護動作の中で頻度が高いことも負担要因と考えられているが, 実際にその頻度や所要時間を計測した研究は少ない8)9). そこで今回, トランスファー介助動作が一日の業務内に占める回数と所要時間について勤務時間帯と担当業務内容により調査・検討することを目的として, 老人保健施設に勤務する介護職員の8種類の勤務パターンにおいてタイムスタディを行ったので報告する. |
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ISSN: | 1341-1667 |