くもらない腹腔鏡の開発(<特集>内視鏡手術における最新支援機器)

近年一般外科領域では, 体壁に5mm~10mmの小穴を数ヵ所開け, 腹腔鏡視下で行う低侵襲性外科手術(Minimally Invasive Surgery)が患者の早期社会復帰が可能との理由から, 急速に普及してきた. しかし, この手術方法は従来の開腹手術とは異なり, 術者側に数々の制約とリスクを課している. その一つが, 患者の体外と体内の温度差から生じる内視鏡先端部の曇り現象である. 腹腔鏡の使用方法は, 口腔からのアプローチではなく, 腹部にトロカールを穿刺し, このトロカールをガイドとして体腔内に挿入する. また, 腹腔内で広い観察視野を得るため, 腹部吊上装置, 気腹装置を用いて腹...

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Veröffentlicht in:医科器械学 2005/11/01, Vol.75(11), pp.747-748
1. Verfasser: 福与, 恒雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年一般外科領域では, 体壁に5mm~10mmの小穴を数ヵ所開け, 腹腔鏡視下で行う低侵襲性外科手術(Minimally Invasive Surgery)が患者の早期社会復帰が可能との理由から, 急速に普及してきた. しかし, この手術方法は従来の開腹手術とは異なり, 術者側に数々の制約とリスクを課している. その一つが, 患者の体外と体内の温度差から生じる内視鏡先端部の曇り現象である. 腹腔鏡の使用方法は, 口腔からのアプローチではなく, 腹部にトロカールを穿刺し, このトロカールをガイドとして体腔内に挿入する. また, 腹腔内で広い観察視野を得るため, 腹部吊上装置, 気腹装置を用いて腹腔内を炭酸ガス等で膨らませ, 腹壁と臓器の間に空間を確保し手術を行う. したがって通常スコープ先端対物レンズには, 体液, 血液等の異物が付着することは少ない. しかし, 対物レンズに直接異物が付かない場合でも観察視野が悪くなる場合が多々ある. 腹腔内の環境は, 外部と比較して大変な高温多湿(温度38度前後, 湿度90~100%)であり, この温度差によってスコープ先端対物レンズ外側に結露が生じ, 曇りとなって観察視野を疎外する.
ISSN:0385-440X
1881-4875
DOI:10.4286/ikakikaigaku.75.11_747