輸血検査装置の現状と将来展望(<特集>血液型検査と医科器械)

現在, ABO式をはじめとする血液型検査, 不規則抗体スクリーニング検査や交差適合試験は凝集法で行われている. 凝集法の多くは試験管法と呼ばれる方法により, 試験管内での赤血球凝集反応を目視判定するもので, 手技および判定に検査者の個人差が生じ検査結果が客観性に欠けることがある. 日本輸血学会が実施したABO型不適合輸血の全国アンケート結果報告1)によれば血液型検査にかかわる血液型判定ミス, 患者検体の取り違え, 検査結果の誤記, 血液型のコンピュータヘの誤入力などが20%以上あり, これらの多くは血液型検査を自動化することにより防止できる. 血液型検査の自動化の研究, 開発は1960年代の前...

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Veröffentlicht in:医科器械学 2004/09/01, Vol.74(9), pp.452-458
1. Verfasser: 土方, 和男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:現在, ABO式をはじめとする血液型検査, 不規則抗体スクリーニング検査や交差適合試験は凝集法で行われている. 凝集法の多くは試験管法と呼ばれる方法により, 試験管内での赤血球凝集反応を目視判定するもので, 手技および判定に検査者の個人差が生じ検査結果が客観性に欠けることがある. 日本輸血学会が実施したABO型不適合輸血の全国アンケート結果報告1)によれば血液型検査にかかわる血液型判定ミス, 患者検体の取り違え, 検査結果の誤記, 血液型のコンピュータヘの誤入力などが20%以上あり, これらの多くは血液型検査を自動化することにより防止できる. 血液型検査の自動化の研究, 開発は1960年代の前半頃よりはじまり, 血液型判定用血清に被検血球を加え, 反応液を比色計で測定して記録し, ABO式血液型の自動判定を試みたとされている2). 1970年代に入り画期的な自動検査装置が登場し, 欧米を中心に本邦でも使用され始めた. この中核となるシステムはGroupamatic MG50およびGroupamatic G360 2)(スイス ロッシュ社)であった.
ISSN:0385-440X
1881-4875
DOI:10.4286/ikakikaigaku.74.9_452