(P8)耐放射線プラスチック材料の検討1(ポリプロピレン樹脂,ポリ塩化ビニル樹脂の検討)

電子線滅菌は近年, 医療用具および医薬品容器等に実施されるようになった. 一部の材料において, 放射線照射による物性劣化, 着色, 臭い等の問題は, まだ十分に解明されておらず, 電子線滅菌の普及における重要な課題となっている. ポリプロピレン樹脂は医療用具および医薬品容器等に使用されているが, 照射による物性劣化と着色の問題があり, ポリ塩化ビニル樹脂については着色の問題がある. そこで, 演者らは市販されている耐放射線性の高い材料(グレード)を選定し, 電子線を照射した後の経時変化も含めた評価試験を実施した. その結果, 電子線照射により物性および着色について安定である結果が得られたので報...

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Veröffentlicht in:医科器械学 2004, Vol.74 (4), p.218-218
Hauptverfasser: 山口透, 山瀬豊, 山本由美子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:電子線滅菌は近年, 医療用具および医薬品容器等に実施されるようになった. 一部の材料において, 放射線照射による物性劣化, 着色, 臭い等の問題は, まだ十分に解明されておらず, 電子線滅菌の普及における重要な課題となっている. ポリプロピレン樹脂は医療用具および医薬品容器等に使用されているが, 照射による物性劣化と着色の問題があり, ポリ塩化ビニル樹脂については着色の問題がある. そこで, 演者らは市販されている耐放射線性の高い材料(グレード)を選定し, 電子線を照射した後の経時変化も含めた評価試験を実施した. その結果, 電子線照射により物性および着色について安定である結果が得られたので報告する. 〔方法〕市販の耐放射線性の高いポリプロピレンについて射出成形による試験片を作成した. 電子線滅菌レベルを照射し, 照射直後と室温保存3,6ヵ月経過後の引張強度, 伸び, 色差計による色差を測定した. ポリ塩化ビニル樹脂についても同様に, 電子線を照射し, 照射直後と室温保存3ヵ月, 6ヵ月経過後の色差を測定した. 〔結果〕ポリプロピレン樹脂について, 市販されている耐放射線性の高い材料(グレード)は60kGy照射後, 室温6ヵ月経過後であっても, ほとんど物性の劣化, および着色は見られなかった. ポリ塩化ビニル樹脂についても60kGy照射後, 室温6ヶ月経過後, ほとんど着色の変化は見られなかった. 〔結論〕ポリプロピレン樹脂, ポリ塩化ビニル樹脂において電子線滅菌処理後の物性劣化, 着色についてほぼ問題のない材料を見出すことができた. 今後はこれらの材料のさらに詳細な評価試験および処方設計を検討し, 電子線滅菌導入の環境整備に努めたい.
ISSN:0385-440X