(P5)砕石位における体下不織布挿入には注意が必要!-ヨード接触性皮膚炎症例から学ぶこと

ヨードによる手術部位皮膚の消毒は広く行われているが, 一方でヨードによる接触性皮膚炎の問題も指摘されている. 当施設においても, 手術部位皮膚の消毒にはヨードをもちいており, 皮膚炎を予防するために余分な消毒液には注意を払ってきた. その中で, 手術用ドレープ, 吸ラミシーツの使用法において注意を喚起する症例を経験したので, 紹介するとともに手術用不織布に関する考察を行った. 〔症例〕広範囲子宮全摘手術のため砕石位をとり, ヨードホールにて手術部位皮膚の消毒を行った. 消毒後, 胃部の体下に吸ラミシーツ, また通常の開腹用手術ドレープ(どちらもディスポ不織布:片面破水加工)を使用した. 手術後...

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Hauptverfasser: 大脇哲洋, 吉中平次, 當房和己, 宮園きよ子, 高松英夫
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:ヨードによる手術部位皮膚の消毒は広く行われているが, 一方でヨードによる接触性皮膚炎の問題も指摘されている. 当施設においても, 手術部位皮膚の消毒にはヨードをもちいており, 皮膚炎を予防するために余分な消毒液には注意を払ってきた. その中で, 手術用ドレープ, 吸ラミシーツの使用法において注意を喚起する症例を経験したので, 紹介するとともに手術用不織布に関する考察を行った. 〔症例〕広範囲子宮全摘手術のため砕石位をとり, ヨードホールにて手術部位皮膚の消毒を行った. 消毒後, 胃部の体下に吸ラミシーツ, また通常の開腹用手術ドレープ(どちらもディスポ不織布:片面破水加工)を使用した. 手術後, 臀部に敷き込んだ吸ラミシーツの折り返し部分に一致した皮膚の発赤を確認. 吸水部分(表)には発赤もなく, 折り返された破水部分(裏面)に溜まったヨードによる接触性皮膚炎と判断された. 〔考察〕砕石位にて手術を受ける患者の臀部には, その体下に吸ラミシーツが敷きこまれることが多い. 会陰部の操作の際, この部分に吸ラミシーツがないと, 血液などが手術台に直接流れ込むからである. このシーツを敷き込む際, 奥に敷き込むには患者側に先を折り曲げないと挿入しにくく, 今回はその折り返し部分(裏面)がヨードホールを吸収せず, 手術の間皮膚に圧力(体重)を持って溜まったヨードが直接接触していたのである. 折り返しを作らないように挿入するか, 表裏を逆にし, 広く取った折り返し部分(吸水部分)が患者に接するよう挿入するなどの対策が必要と考えられた.
ISSN:0385-440X