病院の滅菌蒸気における非凝縮性気体の検討
蒸気滅菌は取り扱いが簡便で滅菌の信頼性が高いことから, 他の滅菌法に比べて多く用いられている. 国内の医療機関における滅菌用蒸気に含まれる成分や品質の管理に対する意識は, 2001年5月発行の「医療現場における滅菌保証のガイドライン2000」などにより高まってきており, 国際規格であるENやISOの基準値に基づいた滅菌剤(Sterilant)としての管理が進められつつあるように思われる. 滅菌蒸気の品質管理の目的としては, 次のものが考えられる. (1)滅菌物に対して汚れや機能低下等の有害原因とならない. (2)滅菌工程に対して滅菌性能低下等の弊害とならない. これらのうち, (2)項に示した...
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Veröffentlicht in: | 医科器械学 2002/09/01, Vol.72(9), pp.423-428 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 蒸気滅菌は取り扱いが簡便で滅菌の信頼性が高いことから, 他の滅菌法に比べて多く用いられている. 国内の医療機関における滅菌用蒸気に含まれる成分や品質の管理に対する意識は, 2001年5月発行の「医療現場における滅菌保証のガイドライン2000」などにより高まってきており, 国際規格であるENやISOの基準値に基づいた滅菌剤(Sterilant)としての管理が進められつつあるように思われる. 滅菌蒸気の品質管理の目的としては, 次のものが考えられる. (1)滅菌物に対して汚れや機能低下等の有害原因とならない. (2)滅菌工程に対して滅菌性能低下等の弊害とならない. これらのうち, (2)項に示した滅菌工程に対する弊害とは, 過熱蒸気あるいは非凝縮性気体による滅菌不良の発生を指す. 大ヶ瀬らは, 蒸気不純物の被滅菌物に対する有害性に対する報告を行ったが, 非凝縮性気体による滅菌性能の低下に関する議論は十分に行われていない. 一般に, 蒸気中には, 二酸化炭素, 窒素, 酸素などの非凝縮性気体(Non-condensable Gas以下, NCGと略す)が含まれている. 表1に見られるようにENやISOには滅菌剤としての蒸気に含まれるNCG量を3. 5%(凝縮後の体積分率)以下と規定しているが, NCGが滅菌に与える影響や, 管理方法が明確になっていない. 本研究では, 滅菌性能の低下要因と考えられる滅菌蒸気に含まれるNCG量を, 供給蒸気側条件を種々変更して測定を行った. また, NCGに対して変色が敏感とされるBowie&Dickタイプ(以下, B&Dと略す)のテストパックを用いて確認を行い, NCG量が及ぼす滅菌への影響についても検討を行った. |
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ISSN: | 0385-440X 1881-4875 |
DOI: | 10.4286/ikakikaigaku.72.9_423 |