小児X線撮影におけるわが国でのガイダンスレベル設定に関する研究

1.緒言 医療被曝防護の基本は, 医療の有益な放射線を不当に制限しない「正当化」と患者のリスクを最小に, 得られる利益を最大にする「最適化」である. IAEA放射線防護基本安全基準2,3)の中でX線診断におけるガイダンスレベルを設定し, 各国が信頼性のおけるサーペイランスを実施してガイダンスレベルを設定することを呼びかけているが, 小児X線診断については設定されていない. 一方, IAEAのガイダンスレベルの基礎となった英国NRPBのX線診断における患者被曝線量測定の国内プロトコール4)でも, 「小児X線診断で与えられる線量は, 患者のサイズに依存し, それゆえ年齢に大きく依存する. 小児X線...

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Veröffentlicht in:医科器械学 2002/02/01, Vol.72(2), pp.65-69
Hauptverfasser: 森, 剛彦, 武藤, 裕衣, 佐藤, 斉, 長谷川, 光昭
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1.緒言 医療被曝防護の基本は, 医療の有益な放射線を不当に制限しない「正当化」と患者のリスクを最小に, 得られる利益を最大にする「最適化」である. IAEA放射線防護基本安全基準2,3)の中でX線診断におけるガイダンスレベルを設定し, 各国が信頼性のおけるサーペイランスを実施してガイダンスレベルを設定することを呼びかけているが, 小児X線診断については設定されていない. 一方, IAEAのガイダンスレベルの基礎となった英国NRPBのX線診断における患者被曝線量測定の国内プロトコール4)でも, 「小児X線診断で与えられる線量は, 患者のサイズに依存し, それゆえ年齢に大きく依存する. 小児X線検査のリファレンスレベルは確立していない. 小児のリファレンスレベルには明確に決められた年齢かサイズに指定される必要がある. 成人患者よりも放射線のリスクの大きい新生児や乳幼児の線量の監視や調節が緊急の課題である」と述べており, 小児X線診断におけるリファレンスレベルの設定の必要性および緊急性を強調している.
ISSN:0385-440X
1881-4875
DOI:10.4286/ikakikaigaku.72.2_65