脱気水による超音波強度の実験的研究

1.はじめに 一般に超音波洗浄は洗浄剤のもつ化学的な洗浄力と, 超音波の物理的な洗浄力の相乗関係によっておこなわれ, なかでも超音波の液中に発生させるキャビテーション(空洞現象)が, 非常に影響すると言われている. しかし超音波洗浄に用いられる水道水には, 常温で酸素ガスが約8 ppm, 窒素ガスは約14 ppmなど含まれ, この目に見えない多数の気泡が, 超音波のキャビテーションによる伝達を妨げ, 洗浄力を低下させることになる. 今回, 我々は洗浄水中に含まれる気体を, 脱気すること(以後, 脱気水)による超音波の洗浄力強化の特性を知るため, 音圧レベルを測定し同時に手術器械に及ぼす影響を検...

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Veröffentlicht in:医科器械学 2001-10, Vol.71 (10), p.529-530
Hauptverfasser: 野口悟司, 伏見了, 船越文男, 高階雅紀, 中田精三, 村田雄三, 牧岳彦, 田井誠二, 村田昭夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1.はじめに 一般に超音波洗浄は洗浄剤のもつ化学的な洗浄力と, 超音波の物理的な洗浄力の相乗関係によっておこなわれ, なかでも超音波の液中に発生させるキャビテーション(空洞現象)が, 非常に影響すると言われている. しかし超音波洗浄に用いられる水道水には, 常温で酸素ガスが約8 ppm, 窒素ガスは約14 ppmなど含まれ, この目に見えない多数の気泡が, 超音波のキャビテーションによる伝達を妨げ, 洗浄力を低下させることになる. 今回, 我々は洗浄水中に含まれる気体を, 脱気すること(以後, 脱気水)による超音波の洗浄力強化の特性を知るため, 音圧レベルを測定し同時に手術器械に及ぼす影響を検討した. 2.脱気水の製造方法 溶存する気体を脱気する方法として, 真空膜式脱気法でおこなった. 原理は水に接している気体の分圧が小さい場合, 水中の溶存気体がその分圧に応じて移行する現象を利用し, 方法は気体を透過させ, 水分子を透過させない性質の気体分離膜を真空と水の間に置き, 脱・気体をおこなう.
ISSN:0385-440X