胸腔鏡下交感神経遮断術用機器 (<特集>最近話題の疼痛治療領域関連機器)

医療機器の進歩がもたらしたペインクリニックにおける新しい治療法のひとつに胸腔鏡下胸部交感神経遮断術(ETS)がある. ETSは従来の胸部交感神経ブロックにかわる方法の一つとして施行されている. 従来, 胸部交感神経節ブロックはアルコールやフェノールなどの神経破壊薬を用いて, 帯状疱疹, 帯状疱疹後神経痛, 胸郭出口症候群, 末梢血行障害, complex regional pain syndromeおよび手掌多汗症などを適応疾患として行われてきたが, 胸部交感神経節の解剖学的特性から, 効果は一定していなかった. そのため確実に交感神経を遮断できる方法が望まれてきた. 1910年にJacoba...

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Veröffentlicht in:医科器械学 2001/03/01, Vol.71(3), pp.124-128
Hauptverfasser: 長谷, 一郎, 平川, 奈緒美, 原野, 清, 十時, 忠秀
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:医療機器の進歩がもたらしたペインクリニックにおける新しい治療法のひとつに胸腔鏡下胸部交感神経遮断術(ETS)がある. ETSは従来の胸部交感神経ブロックにかわる方法の一つとして施行されている. 従来, 胸部交感神経節ブロックはアルコールやフェノールなどの神経破壊薬を用いて, 帯状疱疹, 帯状疱疹後神経痛, 胸郭出口症候群, 末梢血行障害, complex regional pain syndromeおよび手掌多汗症などを適応疾患として行われてきたが, 胸部交感神経節の解剖学的特性から, 効果は一定していなかった. そのため確実に交感神経を遮断できる方法が望まれてきた. 1910年にJacobaeusの報告以来, 胸腔鏡を用いた手技が次々と報告されるようになり, 1942年のHughesの報告以来より確実に交感神経を遮断する方法としてETSに関する報告が散見されるようになった. 本邦でも1951年には木村がJacobaeus型焼灼器を用いた症例1)を, 1957年福慶らがKremer型胸腔鏡を用いた症例2)を報告している. しかしながら, これらの方法は視野の確保や手術手技が困難であったためあまり普及することがなかった.
ISSN:0385-440X
1881-4875
DOI:10.4286/ikakikaigaku.71.3_124