電子スピン共鳴吸収スペクトル法(ESR)を用いた漢方薬のラジカル消去活性種の検討

天然物由来の漢方薬は多成分系であり, 薬効成分の単離構造決定といったこれまでの手法では, 漢方薬全体としての薬理効果発現の作用機序を明らかにすることが困難である. 我々は, 消炎鎮痛効果などの作用のうちには体液中の発痛物質が漢方薬中の成分とラジカル反応によって結合し溶解性が向上し, 体外への排泄を容易にされたり不活性物質に変化するというような現象があるのではないかと仮定し, 現在臨床使用されている種々の生薬の抽出液の活性酸素種の消去活性や, ジフェニルピクリルヒドラジル(DPPH)の分子内の1個のラジカルとの結合性を可視部吸収スペクトル法で検討し, 薬理作用との関連性を明らかにすることを目指し...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:医科器械学 2000-10, Vol.70 (10), p.489-490
Hauptverfasser: 山根禎子, 高島征助, 山根健, 田代眞一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:天然物由来の漢方薬は多成分系であり, 薬効成分の単離構造決定といったこれまでの手法では, 漢方薬全体としての薬理効果発現の作用機序を明らかにすることが困難である. 我々は, 消炎鎮痛効果などの作用のうちには体液中の発痛物質が漢方薬中の成分とラジカル反応によって結合し溶解性が向上し, 体外への排泄を容易にされたり不活性物質に変化するというような現象があるのではないかと仮定し, 現在臨床使用されている種々の生薬の抽出液の活性酸素種の消去活性や, ジフェニルピクリルヒドラジル(DPPH)の分子内の1個のラジカルとの結合性を可視部吸収スペクトル法で検討し, 薬理作用との関連性を明らかにすることを目指している. しかし, この方法では漢方薬の活性種に関しては何らの情報が得られないことから, DPPH反応性の意義, さらにラジカル活性についての新しい知見を得ることを目的としてESRによる検討を開始しいくつかの知見を得たので報告する.
ISSN:0385-440X